パトリッツィオ便り

2016年10月15日 (土)

イタリア歌曲

今日、ドイツ人テノールのKaufmannが、
イタリア歌曲を歌っている映像をみた。

彼は、イタリアの良い点を語ってくれている。

何だか、嬉しい!

私も、シエナの老人ホームで
昔のイタリアの歌をピアノで弾くと、
お年寄りから受け入れられる。

他国の音楽を演奏する、その姿には、
その国への理解やリスペクト(尊重)がある。

毎朝ニュースを見て、
隣国や他国の政治や経済の動向を見ているだけでは、
世界は平和に向かわないけど・・・

音楽の種が沢山まかれると、
少しずつ、世界が柔らかくなっていくと思う!

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2014年6月18日 (水)

ある農園の一日

キャンティの作り手を訪れると、
彼らは澱引作業に奮闘していた。

発酵・熟成の工程で、
ワインには酵母や酒石などの澱が発生する。

これらの澱を取り除き、
ワインをクリーンにしてから瓶詰の工程に入るが、
この農園では、清澄の際、
ベントナイトという粒状の粘土を使用する。

ワインが貯蔵されているステンレスタンクに、
ベントナイト(ワイン100ℓにつき、20g)を入れる。

するとベントナイトは浮遊している澱を捕まえながら、
15日間くらいかかて、
ゆっくりとタンクの底に沈んでいく。

そして、上澄みの綺麗なワインを、
荒い目の紙フィルターにかけ、その後また、
別のフィルターにかけて、ワインは瓶詰される。

今、無農薬ワインのブームで、ネットなどを見ると、

「このワインには、二酸化硫黄が使用されていません」とか、「このワインは、旨みを逃さないため、ノンフィルターです」という表記をよく見かける。

一般的には、葡萄がワインに代わる工程で、
若干量の二酸化硫黄(酸化防止剤)が使用される。

二酸化硫黄は、酸化防止、雑菌の抑制、殺菌、その他、
ワインの色・質を安定化させる為に働きかけてくれる。

ワインの見本市で、
「このワインには、二酸化硫黄が使われていないんだ」

と作り手から説明を受ける度に、

「そうですか。
 ところで、どのくらい保存がきくのでしょうね?」

と訪ねると、どの作り手からも、

「まだ実証データはないから正確な事は言えないけど、
 直ぐに飲んで欲しい」という答えが返ってくる。

御客様の中には、「いつ飲もうかな?」と、
待つ楽しみをも味わっていただいている方も多いので、
体に害を及ぼさない量の二酸化硫黄の使用、不使用について、私はあまり神経質に考えないことにしている。

そして、フィルターに関して、
過度な濾過によっては、色や味を若干損なう事はあるが、失うこと=マイナス、とも言い切れない。

ある日、購入したキャンティクラッシコを飲んでみたら、
あまりにも成分が凝縮され、まだタンニンが強かった。

作り手には、「あと2~3年後経つと円やかに整い、
より美味しいく飲める」と言われたので、
このワインは、私の倉庫で眠っている。

一方、このキャンティの作り手は、
フィルターをかけているせいか、非常に飲み口がよい。

葡萄本来のポテンシャルが高いので、
フィルターにかけられた後、「薄まった」という結果にならず、むしろ、お連れする日本人の御客様から「美味しい!」と感想が漏れる。

この日は、ハプニングに奮闘している彼らを垣間見た。

澱が底に溜まった状態のタンクを傾けてしまい、そのため、タンク全体に、また、澱が舞いあがってしまった。

また新たに、澱が沈殿するのを待つ必要があるが、
ドロドロ状態のワインを目にすることが出来た。

このタンクには200リットルのワインが入っているので、ベントナイトは40gしか使用していない。

「こんなにドロドロした部分があるということは、
 澱が沢山あるっていうことかしら?」

「この作り手は、二酸化硫黄の使用量が少ないから、
 もし、ノンフィルターで瓶詰めしたら、
 瓶内に入る澱は、ワインに影響を与えないかしら?」

イタリアの小さな作り手は、完璧ではなく、
時に、失敗をしでかす。

「こんな状況、見られては困る」とか

「こんな時に、何で来るのよ!邪魔ね!」

といった感覚は全くなく、
このような状況をも私に説明してくれて、

「汚い手で、御免なさい~!」

と言いながら握手を交わしてくれる。

今、彼らが向き合っているワインは、
キャンティ2013年もの。

ステンレスタンクからグラスに注いでくれたワインは
美味しかった。

瓶詰めして2か月経つと、
この前まで、やんちゃであどけない女の子が、
大人の女性としての落ち着きを見せ始めるように、
落ち着いた状態になる。

秋に、この2013年のキャンティを飲んでみよう!

「あんな光景もあったっけ~!」とほくそ笑みながら!

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2009年12月16日 (水)

イタリア人観光客

今日は

ティティです。

不定期なパトリッツィオの登場です。

11月17日、そして12月1日のブログではシエナで見かける日本人観光客についてコメントを述べた彼。
今日は逆の視点、日本でのイタリア人観光客についてのコメントです。

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規律正しくグループに従い、興味を惹かれるものは直にカメラに収めようと準備万端の日本人観光客。

シエナで見かける彼らは、常に笑顔で親切です。

そんな彼らを見続けたお次は私の番。

幸運にもKIYOMIと知り合ったお陰で日本に旅行することができました。

マルコポーロによって伝えられた神秘の国、ジパング!
マダムバタフライの魅惑の地!

早速、成田空港に到着です。

「観光ですか?お仕事ですか?」 

入国審査では、係りの女性が愛想のよい笑顔で親切に問いかけてきます。

「観光です」
と答えると、彼女の表情は一瞬にして変わり、
慎重な態度で私をもてなします。

この雰囲気はまるで捜査のよう。

「ビジネスで」と応えたほうが良かったかもしれません。

KIYOMIは上野公園に近いホテルを手配してくれました。

一人、TOKYO散策を試みますが・・・

公園名が見当たらない!
街路名の表示と建物のナンバーが分からない!
道に迷ったらどうしよう?

誰かに尋ねるわけにはいきません。

まず第一に、言葉が分からない。

次に、ほぼ全てのガイドブックに日本でのタブーとして、
〈道を尋ねてはならない〉
〈公の場で鼻をかんではならない〉
〈愛情表現を慎み、手をつないではならない〉・・・
と記されているのです。

イタリアではごく普通の行為が不作法とされ、
お茶やスープを音を立てて飲み干すといったイタリアでは不作法とされていることが、日本ではお勧めとされている。

本当に、反対側の国に来たぞ!

とりあえずホテルに留り、イタリア語の日本ガイドをもう少し読むことにしよう。

ベッドに横たわるが、とても小さくて足がはみ出てしまうのが少々残念。

さて、既に開かれたジパング情報をインプットしていくが、未来のジパングネタを発見!

日本のWCの便器に驚きました!〈続き〉

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2009年12月 1日 (火)

日本人観光客

今日は

ティティです。

11月17日付けのブログに続き、
今回もパトリッツィオのコメントをご紹介します。

イタリア人から見た日本人観光客への率直な感想をどうぞ

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シエナの街に日本人観光客グループの姿が定着したのは90年代です。

1時間でワインテイスティング、またはランチを済ませ、30分でカンポ広場に辿り着き、続いて30分の大聖堂見学へ・・・
日傘を片手にしたご婦人達はガイドに従い足早に街を駆け渡ります。

1000年の歴史を持つ街並みを2時間15分という記録的なスピードで駆け抜け、バス停からフィレンツェもしくはローマを目掛ける日本人観光客。

私達イタリア人にとって、バカンスとは、ノンビリと何もせずに過ごすこと、諺にもあるように、
A tavola non sinvecchia mai
《食事の間は年をとらない/食事の時間こそ人生最良の時》のごとくたっぷりと食事を楽しむこと、
そして気楽な読書、考古学、史跡巡りなどなど、ゆったりと時を過ごすという理解があるゆえに、日本の皆様の行動はとても印象的でした。

《地球の裏側から訪れたこの人達は、何故に全てのものをカメラに収めようと必死に歩くのか?》

恐らく、経済大国の成功の秘訣はここにあるのだろうか?

目的を達成するためには、努力を惜しまず犠牲を払う・・・・(続く)

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2009年11月17日 (火)

SA-YO-NA-RA

今日は

ティティです。

紅葉の深まりと共に、
赤ワインを愛でる季節となりましたね。

今日はアクアボッラのオーナー、パトリッツィオが皆さんの乾杯の音頭をとりますが、その前に乾杯にちなんだ彼の体験話をご紹介しましょう。

以下、彼の語りです。

90年代の初め、
シエナに日本人観光客が訪れはじめました。

どういう訳か50-60歳とみられるご婦人で構成されたグループです。

当時、国立エノテカ・イタリアーナにソムリエとして勤める私は、簡単なテイスティングをもって皆様を受け入れる役目を任されていました。

当然のことながら、日本、ましてや日本語の知識は無しに等しい。

しかし、そんな私ですら明らかに日本語であると分かっていた魅力的な言葉、
SA-YO-NA-RA に頼ることにしました。

当時イタリアでは、
イタリア語の〈チャオ〉という挨拶が出会いと別れに使われるように、SA-YO-NA-RAにも両方の挨拶の意味があると思い込まれていたのです。

到着するご婦人たちに深々と頭をさげ
SA-YO-NA-RA とお迎えすると、
口に手を当ててクスクスと笑い出す方がいらっしゃる。

気分が解れたところで、ワインのテイスティングへと流れます。

グラスを掲げ、ご婦人を見渡しながら、
「チン チ~ン!(乾杯)」と唱えると、またご婦人はクスクスと笑い出す。

〈笑いのツボが分からない不思議な国民だ?〉と思い続けていたものです。

さて、それでは皆さんの健康を祝して「KA-N-PA~I

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