シエナで見れるミューズとサッフォー
私は官能的なものを愛する。
私にとって、これと 太陽への愛は、
輝きと美しさを分かち合っている。
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山々の風が 樫の木を襲うように、
愛が私の胸を揺さぶった。
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山に咲くヒヤシンスが、
羊飼いに踏みにじられてしまうように。
地に落ちてもなお、 紫の花。
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死は悪である。
神々がそう考えている。
そうでなければ、神々も死ぬはずだから
――これらの詩は、2600年以上も前に、
女流詩人サッフォー(Sappho)によって書かれたもの。
ギリシャ東部のエーゲ海に浮かぶレスボス島で、彼女は竪琴(リラ)に合わせて詩を詠む、いわばシンガーソングライターだった。
愛や美、嫉妬や切なさの感情を豊かに表現し、とくに女性への愛情を詠んだことから、女性同性愛の象徴的存在とされ、彼女の住むレスボス島にちなんで、「レズビアン」という言葉が生まれたらしい。
そんな彼女が中心に描かれている作品、
「キージのミューズ(Chigi Muses)」
私は、シエナ国立考古学博物館(サンタ・マリア・デッラ・スカーラ内)にあるこの大理石の浮彫が大好きで、何度も見にいく。
13人の登場人物の中には、サッフォーの他に、
文芸・音楽・学術を司る9人の女神「ミューズ」と、優雅に立つアポロン、椅子に座るホメロスが描かれている。
サッフォーは人間だったが、彼女の持つ才能が非常に特別だったため、神に近いレベル「10番目のミューズ」と称えられていた。
彼女の膝には巻物があり、
手には楽器を持ち、芸術の融合を象徴している。
竪琴(リラ)やリュラを持つ抒情詩を司るエラト、
楽・賛歌を司るテルプシコラ、ポリュムニア、
巻物(パピルス)を持つ歴史を司るクレイオ、
叙事詩を司るカリオペ、
笛(アウロス)を持つ吹奏楽を司るエウテルペ、
芸術の守護神であるアポロン、
古代ギリシャ最大の詩人ホメロス、
そして椅子に座り、膝の上に書物(パピルスの巻物)を広げ、手に楽器を持つサッフォー。
文化・芸術を司る彼らのお喋りが聞こえてきそうな作品。
石でありながら、
なんて、優雅で穏やかな情景なんだろう・・・・
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