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2025年2月

2025年2月28日 (金)

留学生女子とワイナリー訪問

ワイン初心者の留学生女子を連れ、ワイナリーを訪れた。

広大なブドウ畑の中に位置するワイナリーは、通常、車がないと辿り着くのが困難だが、
彼女たちが通う大学からバス1本で行けるワイナリーがある!

しかも、参加者が外国人大学の学生だと知り、
通常18€の試飲料を、10€までサービスしてくれるとは、何ともありがたい。

この日はどんよりと塞いだ空模様だったけど、
彼女たちの明るさが差し込んで、気分は晴れだった。

ワイナリーの入口でバスは停車。

下車するなり「わ~、やばい!やばい!」と、歓喜の声を上げている。

葡萄畑に挟まれた道を進み、施設内に入ると
「ボンジョールノ!」と、背後から男性の声がした。

メールで予約を交わし合ったダビデだ。
ワイン初心者の留学生女子を連れ、ワイナリーを訪れた。

広大なブドウ畑の中に位置するワイナリーは、通常、車がないと辿り着くのが困難だが、
彼女たちが通う大学からバス1本で行けるワイナリーがある!

しかも、参加者が外国人大学の学生だと知り、
通常18€の試飲料を、10€までサービスしてくれるとは、何ともありがたい。

この日はどんよりと塞いだ空模様だったけど、
彼女たちの明るさが差し込んで、気分は晴れだった。

ワイナリーの入口でバスは停車。

下車するなり「わ~、やばい!やばい!」と、歓喜の声を上げている。

葡萄畑に挟まれた道を進み、施設内に入ると
「ボンジョールノ!」と、背後から男性の声がした。

メールで予約を交わし合ったダビデだ。

皆、一人一人、名前を伝えながら握手をし、
テイスティングルームに入ると、そこではオーナーの娘、サーラが待っていて、
そこでも握手を交わし合った。

サーラは親日家で、知っているアニメのタイトルを口にする度、
皆で盛り上がっている。

イタリア語がまだ不慣れな留学生女子だけど、
アニメのタイトル一つで、気持ちが通じ合えるのは凄いな~、と実感した。

さて、ワインを飲む前から和んだ空気の中、テイスティングがスタート。

最初のワインは、キャンティコッリセネージ。
セメントタンクを使用し、短い時間で醸造した飲み口のよいサンジョヴェーゼ主体のワイン。

注がれたワインの香りに触れた途端、彼女たちの表情がパッと明るく咲いた。

2本目のワインは、キャンティクラッシコ。
樽の熟成を経たこのワインは、1本目と同じ葡萄品種でありながらも、
骨格と果実の深みを持っている。

「2本のうち、どっちが好きですか?」とダビデが尋ねると、
彼女たちは、少し戸惑いながらも、

「ん~、1本目かな?」「私も1本目」「私も・・・」「私も1本目」

と、皆、1本目を指定したものだから、私とワイナリー2人は顔を見合わせた。

「どうしよう? この先、もっと強いワインに入っていくのに・・・」

ダビデは、皆に、追加のグラスを配り始め、
サーラは、これからのワインについて説明した。

「今から2本同時にテイスティングします。
2本とも、同じ葡萄品種。同じヴィンテージ。同じ醸造方法なのよ。
でもね、葡萄の育った土地が違うの。土質や標高、斜面や風など、テロワールの違いがワインの味に変化を生む事、感じてほしいの。ちなにみに、ラベルに月が描かれているのが、私たちがいる土地の葡萄を使用。女性的でエレガント。
そして、太陽が描かれているワインは、少し離れた畑で採れた葡萄を使ってるの。パワフルで男性的なの」

彼女たちの前に2種類のワインが注がれると、
初心者のはずの彼女たちは、ワイングラスの足をつまんで、グラスをクルクルと回したりしている。

「私、月の方が好きやわ!」
「私も・・・月かな~」

この2つのワインは、キャンティ・クラシコ・グラン・セレツィオーネ’17。
それぞれが果実の奥に、スパイスやカカオ、ドライフラワーなど、様々なニュアンスを持っていて、
その個性が独特の美味しさを醸し出している。

酔いが回って来たせいか、気楽な質問が飛び出てくる。

「もうちょっと、注いでみていいですか?比較したい」
「いいよ!」

「すみません! 最初のワイン、もう一度試してみていいですか?」
「勿論だよ!」
「ん~、さっきは最初のワインが美味しいと思ったけど、何だか香りが薄く感じる・・・」

「このクッキー、凄く美味しい!これも、ここで売ってるんですか?」
「タラッリね。残念ながら売ってないの(笑)」といいながら、サーラがおかわりを運んでくる

4本のサンジョヴェーゼに続き、最後のワインが注がれる。
その香りに触れると、Kちゃんが「私、これ好き!」と声を上げた。

5本目のワインは、メルローとカベルネ種。
サンジョヴェーゼは使用されていない。

「なんかさ、こっちのワインは、キャピキャピしてたね」
「なんだか、キラキラ~、って感じ!」

私やワイナリーの人に向けた発言の時は言葉を選んでいるが、
彼女たちが内輪で交し合っている感想には、新感覚なワードが飛び交っていて面白い。

「すみませ~ん!このワインって、いくらなんですか?」とMちゃんが質問をすると、
ダビデがワインリストをもってきてくれた。

「わ~、このワイン、45€もするんや!全部飲んどこ!」

大阪留学生女子のMちゃんが叫ぶと、
これまで、飲みきれないワインをsputacchieraに入れ流していた女子まで
つられて、ワインを口に運んでいた。

4種類のサンジョベーゼワインにメルロ+カベルネ種のスーパータスカン。
ワイン初心者の留学生女子に、このような形でワインに触れてもらえた事はとても嬉しい!

ワイナリーの皆様に感謝です。
Fattoria Carpineta Fontalpinoのワインは最高でした。

まもなくシエナを去る彼女たちですが、この日の余韻は、ず~っと美味しく残ってくれることと思います・・・

皆、一人一人、名前を伝えながら握手をし、
テイスティングルームに入ると、そこではオーナーの娘、サーラが待っていて、
そこでも握手を交わし合った。

サーラは親日家で、知っているアニメのタイトルを口にする度、
皆で盛り上がっている。

イタリア語がまだ不慣れな留学生女性だけど、
アニメのタイトル一つで、気持ちが通じ合えるのは凄いな~、と実感した。

さて、ワインを飲む前から和んだ空気の中、テイスティングがスタート。

最初のワインは、キャンティコッリセネージ。
セメントタンクを使用し、短い時間で醸造した飲み口のよいサンジョヴェーゼ主体のワイン。

注がれたワインの香りに触れた途端、彼女たちの表情がパッと明るく咲いた。

2本目のワインは、キャンティクラッシコ。
樽の熟成を経たこのワインは、1本目と同じ葡萄品種でありながらも、
骨格と果実の深みを持っている。

「2本のうち、どっちが好きですか?」とダビデが尋ねると、
彼女たちは、少し戸惑いながらも、

「ん~、1本目かな?」「私も1本目」「私も・・・」「私も1本目」

と、皆、1本目を指定したものだから、私とワイナリー2人は顔を見合わせた。

「どうしよう? この先、もっと強いワインに入っていくのに・・・」

ダビデは、皆に、追加のグラスを配り始め、
サーラは、これからのワインについて説明した。

「今から2本同時にテイスティングします。
2本とも、同じ葡萄品種。同じヴィンテージ。同じ醸造方法なのよ。
でもね、葡萄の育った土地が違うの。土質や標高、斜面は風など、テロワールの違いがワインの味に変化を生む事、感じてほしいの。ちなにみに、ラベルに月が描かれているのが、私たちがいる土地の葡萄を使用。女性的でエレガント。
そして、太陽が描かれているワインは、少し離れた畑で採れた葡萄を使ってるの。パワフルで男性的なの」

彼女たちの前に2種類のワインが注がれると、
初心者のはずの彼女たちは、ワイングラスの足をつまんで、グラスをクルクルと回したりしている。

「私、月の方が好きやわ!」
「私も・・・月かな~」

この2つのワインは、キャンティ・クラシコ・グラン・セレツィオーネ’17。
それぞれが果実の奥に、スパイスやカカオ、ドライフラワーなど、様々なニュアンスを持っていて、
その個性が独特の美味しさを醸し出している。

酔いが回って来たせいか、気楽な質問が飛び出てくる。

「もうちょっと、注いでみていいですか?比較したい」
「いいよ!」

「すみません! 最初のワイン、もう一度試してみていいですか?」
「勿論だよ!」
「ん~、さっきは最初のワインが美味しいと思ったけど、何だか香りが薄く感じる・・・」

「このクッキー、凄く美味しい!これも、ここで売ってるんですか?」
「タラッリね。残念ながら売ってないの(笑)」といいながら、サーラがおかわりを運んでくる

4本のサンジョヴェーゼに続き、最後のワインが注がれる。
その香りに触れると、Kちゃんが「私、これ好き!」と声を上げた。

5本目のワインは、メルローとカベルネ種。
サンジョヴェーゼは使用されていない。

「なんかさ、こっちのワインは、キャピキャピしてたね」
「なんだか、キラキラ~、って感じ!」

私やワイナリーの人に向けた発言の時は言葉を選んでいるが、
彼女たちが内輪で交し合っている感想には、新感覚なワードが飛び交っていて面白い。

「すみませ~ん!このワインって、いくらなんですか?」とMちゃんが質問をすると、
ダビデがワインリストをもってきてくれた。

「わ~、このワイン、45€もするんや!全部飲んどこ!」

大阪留学生女子のMちゃんが叫ぶと、
これまで、飲みきれないワインをsputacchieraに入れ流していた女子まで
つられて、ワインを口に運んでいた。

4種類のサンジョベーゼワインにメルロ+カベルネ種のスーパータスカン。
ワイン初心者の留学生女子に、このような形でワインに触れてもらえた事はとても嬉しい!

ワイナリーの皆様に感謝です。
Fattoria Carpineta Fontalpinoのワインは最高でした。

まもなくシエナを去る彼女たちですが、この日の余韻は、ず~っと美味しく残ってくれることと思います・・・


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2025年2月25日 (火)

この春から、喜びを共有! 新しいオリーブオイルの作り手が加わります

トスカーナ州シエナから南へ55キロ。

トレクアンダ町に属する「カステルムツィオ」は、
2001年の統計によれば、住人はわずか265人。

まるで時間に取り残されたかのような小さな村は、
美しい風景と、そこに溶け込んだオリーブ畑に囲まれています。

そこに、大切に守られてきた伝統を受け継ぎながら
オリーブオイルを手掛ける農家「Toppini」がある。

ある日、このオリーブオイルは、
オリーブオイルソムリエの集まりでテイスティングされました。

名前が伏せられていたにもかかわらず、他のオリーブオイルと比べて圧倒的な高評価を受けたその理由は、風味、苦味、辛味のバランスが非常に優れており、トスカーナ特有のキャラクターを上品に表現しているから。

小さな家族経営のため大量生産はできませんが、
その分、どこか温かみを感じさせる本物の味わいが広がります。

料理に使えば、いつもの食事がぐっと華やかに。

質の良いオリーブオイルは、体にも喜ばれ、
健康生活を応援してくれる一品です。

トスカーナの美しい風景の中で大切に育まれたこのオリーブオイル、
ぜひ皆様にもお楽しみいただきたく、今年から取り扱いを始めます!

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2025年2月20日 (木)

留学生とワイン

今月に入り、シエナ外国人大学に、沢山の日本人留学生がやってきた。

彼らの滞在は1か月。

好奇心が旺盛な彼女たちから、

「ワイナリーに連れていってください!」

とのリクエストをもらった。

「了解! 実現させましょう。
 でもね・・・
 ワイナリーに行って、ワイナリーの人が話すイタリア語を通訳するけど、
 私の日本語を聞いても、皆、ぴんとこないかもしれないね。
 だから、ワイナリーに行く前に少し、ワインについて勉強しましょう!」

「は~い!」

という事で始まったワインのお話会。

「はい、このラベルを見てください。
 2022って書いてある。
 この2022って、何を意味するのか分かる?」

すると、彼女たちは少し考えこみ、

「ん~、葡萄が樽に入った年ですか?」

「ワインが販売される年ですか?」

と各々口にした。

「これはね、葡萄を収穫した年なの。
 葡萄がワインに姿を変え、ワインが市場に誕生した年ではなくて、
 葡萄の房が生まれた年なのよ!」

「あ~、なるほど!」

続いて、高級レストランに行った時を想定し、ソムリエと交わすホスティングの仕方も
実践してみた。

「注がれたワインを確認をした時、 
 自分が想像していた味とは違うからといって、
 ”これ、ちょっと違います。変えてください”って言わないでね!」

「え~、ダメなんですか?」

「自分の好みと違っているから、という理由では
 交換できませ~ん!
 コルクが劣化して、嫌な臭いがワインについているとか、
 問題が起きた時だけです」

「質問!一本のワインしか注文できないんですか?
 いくつかのワインを注文するとか、ダメなんですか?」

 
「そうね。ワインリストにいくつものグラスワインある場合は、
 各々が好きなワインを注文できるけど、
 高級レストランの場合は、1本のボトルワインを皆で楽しむって感じだね」

ワインの世界に踏み込んだばかりの留学生女子。

彼女たちは、私の話を興味深く聞いてくれるが、
私も、ある意味、彼女たちから飛んでくる質問の内容を楽しんでいる。

明日の午後は、何を説明しようかな?

まだ、決めていない。

折角シエナにいるのだから、先住民のエトルリア人が、
どのようにワインを用いていたか?そんな文化にも触れてみたいし、

日本酒とワインを、歴史の背景を絡めながら比較するのも楽しそう。

ワイナリーに行く事を想定し、醸造の説明もし始めないと・・・

限られた時間だけど、彼女たちがワインに興味を持ち始め、
各々が、色々なテーマからワインを深堀してくれるようになると、嬉しいな。

それは、作り手さんが自然環境と向き合う難しさだったり、
ワインが出来た時の感動だったり、また、歴史や神話、儀式、宗教だったり・・・

グラスから漂うワインの表現は、沢山あったほうが楽しい!

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オリーブオイルのビデオの準備をしてます

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キャンティクラッシコ協会の試飲会会場より

 

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2025年2月11日 (火)

年を重ねるごとに、茶目っ気が増すイタリア人

「KIYOMI、日本のお辞儀って、こうやって頭を下げるんでしょ?
 どのくらい、頭を下げるの?」

冗談好きのカルラが悪戯っぽく聞いてくるもんだから、、
期待に応え、冗談で返した。

「そうね~。
 私は偉いから、敬意を払ってもらいたいわね。
 だから、90度。
 これを、15秒間、キープ!」

「90度! 15秒!」

ボランティアでの作業中、
物資を求める移民が姿を見せないひと時は、
こうして、コントのような事を言い合ってしまう。

私の知るイタリア人で、70歳前後の人は、
冗談好きが多い。
そして、孫が主催するパーティーの裏方で食事を作ったり、
街中のイベントに参加したりしている。

私が70代になったら、
彼らのように明るく振舞ってられるかな~?


追伸
この後、きちんと、
日本のお礼について、説明をしましたので、
ご安心を!

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2025年2月 8日 (土)

シエナのストリートの大学

3~4日前に、日本から沢山の日本人留学生がシエナにやってきた。

彼らのイタリア滞在は僅か1か月。

「やっとイタリアの生活に慣れてきたな~」と感じる頃に、
帰国を迎える事だろう。

短い滞在期間だけど、日本では体験できないイタリアを五感で感じてもらいたく、
学生たちを連れ、駅の裏にある小さなバールに向かった。

「皆!自分の注文を口にしてみましょう!
では、バールに入りますよ~!」

テーブルが3つ置かれた小さなバールに、
私たち7人が入店すると、
バールは、日本人女子の貸し切り状態となった。

この店は、バールと、カプセルコーヒー販売の2つのスペースがある。

私たちが入店した時、バールのおばさんは、
カプセルコーヒーを買いに来た客の対応をしていて
なかなか手があかない。

暫く待っていたら、若いイタリア人男性が勢いよく店に飛び込んできて、
「Ciao Nonna(チャオ お祖母さん!)」と叫んだ。

続いて、この店で働く40代くらいの男性も店に戻って来た。

甥っ子は、学生たちが発するイタリア語を全て聞き取ってくれて、
もう一人の男性がカフェ、カフェマッキート、ラテマッキアート、ホットチョコレートを入れてくれた。

カフェにまつわる名前の説明をしているうちに、
Ammazzacaffè(カフェ殺し)の説明にも踏み込んでしまった。

カフェを飲み干した後、カフェの香りが残るカップに蒸留酒を注いでもらう。
それを飲み干すと、カフェの余韻なんて吹き飛んでしまうから、
Ammazzacaffè(カフェ殺し)と呼ばれる蒸留酒の楽しみ方。

Ammazzacaffèを注文した後、何の蒸留酒にするか?選べるが、
今回はサンブーカを注いでもらった。

珈琲とは別に、蒸留酒を小さなカップに入れて出す方法もあり、
バリスタは客の好みに応じて、提供する。

私は、38度数あるサンブーカを一気に飲み干した。

「救急車を呼ぶかい?」というバリスタの突っ込みに、
バールの空気が和らいでいく。

カプセルコーヒーの客の対応を終えたオーナーのおばさんも私たちに加わり、
お喋りをし始める。

そのうち、近所に住む常連客もポツリポツリと入ってきて、
日本人女子で埋め尽くされた光景に驚きながらも、
私たちに話しかけてくる。

イタリア人女性から「どこから来たの?」と聞かれ、
「日本からです!」と答える学生たち。

続いて、私が
「まだ来たばかりなので、イタリアのパスタの種類とかの説明をしたんですよ」
というと、甥っこバリスタが「シエナの郷土麺はピーチだよ!」と言った。

すると、イタリア女性客は「あら、違うわよ!Val di Chianaよ」と強めに反応。

負けずと、甥っ子バリスタは「でも、Val di Chianaだって南トスカーナ。ほぼ、シエナじゃないか!」と言い返す。

両者が議論する中、
「イタリアではね、こうした細やかな話題からもお喋りが盛り上がっていくのよ!
 皆、持論を持っていて、主張するのがイタリアなの!決して、喧嘩じゃないのよ!」と解説した。

女性客が私たちに挨拶をして出ていくと、
入れ替わって、近所に住むお爺さんが入店してきた。

「イタリアは好きかい?」

「はい、好きで~す!」

「お~、そうかい、そうかい。
私は暇つぶしに来てるのさ。
 ところで、私は幾つに見えるかい?」

ど~見ても、誰が見ても、80代。

この空気感に気持ちが和らいだのか?
一人の女子学生は小さな声で
「60ですか?」と優しい言葉を投げかけたが、お爺さんの耳には届いていないようだ。

「こう見えても、わしゃ~、50を過ぎておるんじゃよ!」

へっ?と思いながらも、お爺さんの言葉を通訳すると、
日本女子たちは、突然のギャグに面食らった表情をしている。

30分ほど過ごし、お会計をして店を出た。
ちなみに、このバールでは、テーブル席でカフェを飲んでも1ユーロ。
良心的だ。

大学の授業を終え、学校から出てきたばかりの彼女たちの表情は少し硬かったけど、
バールを出た時の彼女たちには、笑顔が浮かんでいた。

"L'università della strada"(ストリートの大学)という言葉がある。

町の小さなコミュニティや日々の経験を通じても、多くのことを学ぶ、という意味。

まだ二十歳の学生さんたちには、
この1か月で、"L'università della strada"(ストリートの大学)からもイタリアを感じてもらいたいな~、と感じる今日この頃です。

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2025年2月 7日 (金)

シエナのカフェって、こんな感じです!

バールに立ち寄って、カフェをした。

今日は、香&味に加えて、色も楽しみたく

「al vetro, per favore(ガラスのカップでお願いします)」と注文してみた。

最上層にできるクリームは、ピーナッツのような色をしていて、
それがあるが故に、カフェの濃厚な色が際立って感じられる。

ガラスに注がれたカフェを見て、改めて感じた。

「あれっ? リストレットみたいに低い!」

陶磁器のカップでは気付かなかったけど、
カフェって、量が少なかったのね!?
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2025年2月 4日 (火)

シンプルだけど、気持ちが詰まった朝食

今日の朝食は、カラブリア産ミンモのフレッシュオレンジジュースと、マッシモの庭で育ったプルーンジャム添えのヨーグルト。

カラブリアに住むミンモは、
トラックにオレンジや野菜、ハーブティー等、
様々な地産商品を積んで、ゆっくりと北上しながら月に一度、シエナにも訪れる。

いつ、誰がきっかけで、どのように広まったか知らないが、
「今月は〇日にミンモが来るよ!」と、
シエナに住む友達の間でメッセージが交わされるようになり、
「私、買いに行くけど、あなたの分も買っておこうか?」
など、友達の分を気遣うメッセージが交わされたりもする。

この時期、オレンジなんて何処でも買えるのに、
カラブリアから来るこのオレンジが特別、
という訳ではないのに、「ミンモのオレンジ」は
一部の友達の間で、コミュニティの意味を帯びるようになった。

今回は、フランカがオレンジを買い、
兄のマッシモが彼女から半分もらい、
その一部をマッシモが私にプレゼントしてくれた経緯を経て、今朝、私は美味しいフレッシュジュースにありつけた。

世の中では、どんどんオンラインショッピングが広まっていく。

確かに、ネットで購入したら、
朝だろうが夜中だろうがオレンジをいつでも注文出来るし、
外出しなくても家まで届き、重い思いをしなくて済むし、
誰とも話さなくても商品を受け取れるし・・・

ん? 誰とも話さなくて済む?

ちょっと待ってください!

便利かもしれないけど、
全てがオンラインになってしまったらそれは困る!

きっと私、ますます人と接する機会が減っていって、
年を重ねるごとに、少しずつ気落ちしていきそうだわ~。

自分では気づいてなくとも、
店員さんや係員さんとのちょっとした言葉の交わし合いで、気持ちが潤う場面も多い。

きっとミンモもお客さんも、郊外の駐車場の路上で、
お喋りを楽しんでいることだろう。

そういえば、私が子供の頃、
夕方にお豆腐屋さんが町内を回っていて、
ラッパを聞きつけた主婦たちはお鍋をもって、外に出ていたな~

今、私の住むシエナでは、
ミンモのように地方からやってくる農産物移動販売の他、
鐘を鳴らしながら町内を回り、パンや魚などを販売する行商をみかける。

スーパーではプラスチックトレイやパックに野菜や果物が包まれているが、小さな会話で包まれる野菜や果物、地域の暮らしに密着した販売所が残ってくれることを願う今日この頃です。
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2025年2月 3日 (月)

今朝のバール

私だけだろうか?

ここ数年「今を生きる!」という言葉をよく見かける。

今、自分が触れている状況に視点をおいてみると、
意外と小さな喜びを感じられて、
幸せを味わえるよ、という教え。

そこで早速、朝のバールで「今」を味わってみた。

・朝のショーケースには、
 所狭しとお菓子やパニーノが置かれていて、
 どれも美味しそう!

・2羽の雀が朝食にありつきたくて、
 外テーブルに着いてくれそうな客がいないかどうか?
 店内の様子を伺っている姿が可愛い!

・飼い主さんに似たのであろう、
 お行儀のよいワンちゃんが可愛い

・今日、バリスタが選んでくれたのは
 Hertel Jacob Bavariaのカップ。
 1906年にバイエルンで誕生したこの会社は
 1980年に閉鎖されている故、
 一期一会を感じてしまう。
 おそらく、この工場が珈琲カップに力を入れていたのは1949年頃だというから、今から76年前くらいのものかな?
 よくぞ今日まで割れずに、存在してくれました!
 珈琲を飲み終えた時に出てくる内側に描かれた絵のサプライズも嬉しい!

バールで「今」を観察してみたら、
今日も小さな幸せをいくつか味わえた!

皆さんはいくつの幸せを バールで見つけましたか?

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2025年2月 2日 (日)

イタリアワイン。日本の方がお買い得なワインも?

この時期、イタリアの各地ではワインの試飲会が行われ、
レストランやワインショップに従事する者は、
試飲をしながら取り扱いワインを決めている。

ワイン選びをする中で、
時々、ネックになるのが、日本での販売価格。

例えば、サッシカイア(SASSICAIA TENUTA SAN GUIDO)

トスカーナ州ボルゲリで作られるワインだが、

何故、トスカーナ州シエナの大手スーパーでは€315(約5万円)で売られているのに、日本のサイトでは、38,500円で販売されているのだろう?

2018年、ワイン・スペクテーター誌は、
『サッシカイア2015』を世界のNo1ワインとして表彰した。

続く2016年ヴィンテージは、
ワイン・アドヴォケイト誌にて100点を獲得している。

この快挙を知ったトスカーナに住むイタリア人の知人は、
日本に旅行した際、日本でサッシカイア2015年を購入し、
イタリアに持ち帰っていた。

サッシカイアのような特別なワインはおいといて、
今、「仕入れてみようかな?」というワインと向き合ったが、
手を引く事にした。

私は、ワインの事業をしているので、
作り手からワインを買う際は、勿論、仕入れ価格となる。

Lacrima di Morro d'Alba
仕入れ価格:税込み€10.98 (日本円にすると1,767円)


しかし、日本のサイトを調べてみると、
インポータを通じて日本に渡ったこのワインは、ネットで1,800円で販売されている。


その反対もあり、
イタリアの仕入れ価格に対し、
日本のネットでは、とても高い価格が付けられているワインもある。

ちなみに、仕入れを検討していたこのワイン「Lacrima di Morro d'Alba」
も、Luca Maroni から 99 ポイントを得ているとのこと。

『大量生産』+『ワインジャーナリストの高評価』=日本の方が安く買える、という構図。

日本の方が美味しいワインをお手頃価格で買える事は良いと思うのですが、

「どうして、海外送料、通関料、様々な流通を経ているのに、この価格で販売できるんだろう?」と、その仕組みを知りたいな?と思ってしまう今日この頃です。

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