2024年も大変お世話になりましたm(__)m
2024年最後の投稿として、
12月28日にイタリアの大手新聞社
「CORRIERE DELA SERA」に紹介されていた日本に関わる記事を紹介します。
※この記事を執筆したFederico Rampini氏は、
かつてIL SOLE 24 ORE(経済系の全国紙)の副編集長や、
La Repubblicaの主任外国特派員も務めたやりてのジャーナリストです。
長文になりますが、皆様とも共有できたら嬉しいです
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2025年に向けての目標:日本を再発見しよう。
その国には私たちに教えてくれることがたくさんある
(Federico Rampini/2024年12月28日)
■「誤解されがちな国」日本が教えてくれること
日本は現代の「誤解されている大国」と言われています。
アメリカと中国という巨大なライバルに挟まれながら、
日本は独自の生き方を見つけてきました。
しかし、私たちはしばしば日本を誤解し、その価値を見過ごしています。
例えば、日本は世界でいち早く少子化や高齢化という問題に直面し、
その対応策を模索してきました。
また、環境と技術革新を融合させた持続可能な社会を目指す「実験場」ともいえる国です。
私たちは、日本を「停滞」や「衰退」といったイメージで捉えがちですが、
実際にはそんな単純なものではありません。
例えば、1990年代初頭から日本は「停滞している」と言われ続けていますが、
それでも日本は今なお世界のトップクラスの経済大国です。
人口1億2400万人の日本が、
人口14億を超えるインドとほぼ同等の経済規模を保っているのは驚くべきことです。
さらに、スマートフォンのような最先端の製品にも、
日本企業の高品質な部品が使われています。
これを「衰退」と言えるでしょうか?
■日本の魅力と「偏見」のギャップ
日本に対する私たちの印象には矛盾があります。
一方で、現代の日本文化—例えば文学、
マンガ、映画、建築、デザイン—は多くの人を魅了しています。
また、円安の影響で日本は旅行先としても人気が高まり、
多くの観光客がその清潔で安全な街、
効率的な公共交通機関、犯罪の少なさに驚いています。
それにもかかわらず、私たちは日本を
「伝統的な家族制度の崩壊」や「会社員文化の衰退」
といった問題と結びつけて見がちです。
このような印象は、多くの場合、
日本の文学や映画が描く「内面的な葛藤」をそのまま日本全体のイメージとして捉えてしまっているからです。
■日本経済の「見えない奇跡」
日本企業は、厳しい競争環境の中で独自の道を切り開いてきました。
中国や韓国、台湾などの隣国が価格や技術で激しい競争を繰り広げる中で、
日本は「他の国が真似できない」高品質な材料や部品の開発に注力しました。
その結果、私たちが普段使っている高性能な製品の中に、
日本企業が作った重要な部品が隠れています。
このような変化を経て、日本企業は「見えないけれど不可欠」な存在となったのです。
■文化と働き方の進化
日本社会はこの30年で大きく変わりました。
かつての「終身雇用」や「会社への忠誠心」はもはや標準的な価値観ではありません。
代わりに、スタートアップや海外留学を経た新しいキャリアパスが増えています。
また、労働時間の短縮や育児休暇制度の充実といった労働環境の改革も進んでいます。
このような変化は、日本の社会をより柔軟で多様性に富んだものへと導いています。
■「日本式幸福論」と世界への影響
近年、日本の「生きがい(Ikigai)」という考え方が世界的に注目されています。
この言葉は、自分の人生における目的や喜びを見つける方法を示すものです。
「生きがい」は、日本の長寿の秘密の一つとも言われており、
世界中で多くの人々に支持されています。
これを通じて、日本は単なる経済大国ではなく、
人々の幸せや生き方についても重要なヒントを与えてくれる国だと再認識されています。
日本は、ただ「停滞している国」ではありません。
実は、私たちが気づいていないところで、
多くの価値ある変革を成し遂げてきたのです。
この国から学べることは、まだまだたくさんあります。
以上です。
“GDPで日本はドイツに抜かれ、世界4位に転落”
と書かれると、貧しくなっていくイメージもありますが、
それは、〈お金〉の量から図られたもの。
実際に、お金を沢山持っていても、
虚しさを抱えている人、競争心で緊張を強いられている人、
体を壊す人も沢山いる。
年末のイタリアの紙面にて、
〈日本が、多くの価値ある変換を成し遂げてきた〉、と認められ、
日本から学ぼう!と大きく取り上げてくれた事に、
胸が熱くなる今日この頃です。
皆様、今年も大変お世話になりました。
ありがとうございます。
来年もどうぞ、宜しくお願いいたします!
大多和聖美
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