八十八夜と水田
手賀沼周辺を自転車で走っていると、
水田で休憩をとっている農家さんがいた。
「すみませ~ん、写真撮っても、いいですか~?」
「ほー、いいですよー
今日で田植えは御終い。
温暖化でね、暑さが早くやってきたから、
5月2日を待たずに、もう始めましたわ。
昔は八十八夜を待って
苗の植え付けをしていたけど、
今では信用できんね。
別れ霜が来る事もあるし・・・
八重桜が咲くと霜が来ない、というから
そっちの方を信頼してる。
あちらこちらに咲いてるでしょ?八重桜
まぁ、霜が戻っても、
水が張ってるから大丈夫なんだけどね」
農家の方からの返事には、日本が詰まっていた。
八十八夜って、何だろう?
小さな頃から耳にしていながら、
きちんと意味を知っていない。
調べてみたら、
立春から数えて88日目にあたる日とあり、
新茶の摘み取や穀物の作付けを知らせるための生活の暦とある。
2024年の八十八夜は5月1日。
おじさんは、この後、キュウリやナスの植え付けがある、と言っていた。
別れ霜とは、八十八夜の頃に多い最後に降りる霜の事で、忘れ霜ともいうらしい。
情緒ある霜の呼び名、
八重桜の調べに植え付けを始める自然の暦、
季節の移り変わりに設けられた八十八夜という雑節・・・
農耕民族である日本に伝わる知恵や文化を感じられたひと時でした。
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