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2024年4月15日 (月)

サンフランチェスコ教会にある奇跡

アッシジのフランチェスコが亡くなった2年後の1228年に創建したシエナのサン・フランチェスコ教会。

見事なステンドグラスがあるにも関わらず、
この教会を訪れる観光客は少なく、
今日もひっそりとしていたが、
奥の小部屋には人の姿があった。

その小部屋は、誰にでも開放されているのだけど、
私は入る事が出来なかった。

単なる好奇心でこの空間に入りこんではいけないような、そんな感覚に襲われてしまった。

この教会は「ミラクル」としても知られている。

遡ること、1730年8月14日。

この教会から、カトリックのミサの儀式で使われる円形の薄いパン「ホスチア」が盗まれてしまった。

3日後の8月17日、
ホスチアがプロヴェンツァーノの教会で見つかり
サン・フランチェスコ教会に戻されたが、
その後、使われる事もなく、忘れ去られていた。

長い年月が経ち、発見されたホスチアを見ると、
その状態には劣化が見られない。

1914年、化学者グリマルディ教授によって、
ホスチアの分析と試験が実施されると、
その結果は驚くべきものだった。

ホスチアの成分である小麦粉は、
微生物や寄生虫、腐敗発酵等にとって最適な培養培地である。

にも拘わらず、粒子に光沢があり滑らかで、
擦り切れたり崩れたりもしていない。

一体、何の改変が加えられて、
このような化学的法則に反した異常現象が起きているのか?

これが「ミラクル」と呼ばれる所以です。

そんな「奇跡のホスチア」が置かれている小部屋に、
まるで病院の待合室で長い順番を待つかのように、
数人の人が寡黙に座っている。

それはまるで、絶望の中にあって、
僅かな奇跡にすがるような、

そんな空気を感じてしまい、
私は好奇心でその部屋に入る事が出来なかった。

教会について、
建築の様式や構内に掲げられた絵画、彫刻など、

芸術的な視点で記述される事が多い中、

「祈りの場」「癒しの場」「救いを求める場」
である事を感じた今日この頃です。
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