日曜日の地方のバール
日曜日の午前11時。
高速を下車して郊外のバールに立ち寄り、
遅めの朝食をとる事にした。
時々訪れるこのバールは、
いつも地元客で賑わっていて、
この日も、人懐っこいバリスタと
客の冗談めいた挨拶が店のBGMになっていた。
テーブル席に着きパスタを頬張っていると
向かいのテーブルに動きを感じた。
見ると、おじさんが、床に飛び降りたワンちゃんを拾い上げ、抱き戻されたワンちゃんは、おじさんのお腹に顔をうずめていた。
おじさんのセーターもワンちゃんも
真っ黒だから、気付かなかった。
おじさんの右隣りには、別のおじさんが
瓶ビールをラッパ飲みしていて、左隣りには、
黒い山高帽と革靴、そしてネクタイをまとった、まるで、戦後のネオレアリズモのイタリア映画に登場していそうなおじさんが座っていた。
店内は広く、
屋外にも空いているテーブルはあるのに、
別々にやってきた見知らぬ同士のおじさんは
くし団子のように隣合って座っている。
年は同じくらいに思われるが、
日曜の朝の過ごし方、スタイルが全く違っていて、私は興味をそそられた。
地方人が集まるバールは、
カフェもパスタも美味しく、
イタリア人ウォッチングも味わえます!
| 固定リンク