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2023年8月20日 (日)

【シエナのフレスコ画《善政と悪政の寓意と効果》その3】

今日は、このフレスコ画に描かれている豚に触れてみましょう。

これは、古代からシエナに生息する珍しい品種の豚で、Cinta Senese(チンタセネーゼ)といいます。

イタリア語でベルトはcintura(チントゥーラ)
Senese(セネーゼ)とはシエナの、という意味。

ベルトをしているような姿から、この名前がつけられました。

数年前まで絶滅の危機に瀕していましたが、
ブリーダーと協会のお陰で、販売に至るまでに数が増え今ではDOP(原産地名称保護制度)に認定されていています。

これは、ヨーロッパでは大変、稀なケースです。

通常、肥育ホルモン剤などを使用し、
品種改良を重ねて成長速度を速め、
流通に都合よく量産・繁殖させますが、
チンタセネーゼに関しては、厳しいDOPのルールが敷かれ、質が保証されています。

DOPのルールとは

・トスカーナ州で育つこと
・広い野原で、半野生の状態で飼育されること
・トスカーナで育つ草、豆類を食べること 

等など・・・

チンタセネーゼには、アルゼンチンやブラジルなど、
外国、または、トスカーナ以外の州から入る餌は与えられません。

化学肥料が使用されていたり、
この土地に本来育たない植物を与える事は禁止されています。

昔から品種改良されていないお陰で、
他の豚に比べると成長がゆっくりで、脂肪が多く、
不飽和脂肪酸、特にオメガ3とオメガ6が豊富に含まれています。

食肉の運命を迎える彼らですが、
せめて、生きている間は、広々とした自然環境の中、敵に襲われることもなく、美味しい食事を与えられながら長閑に暮らす姿に癒される今日この頃です。

追伸:

シエナの市庁舎にあるフレスコ画「善政と悪政の寓意と効果」(アンブロージョ・ロレンツェッティが1338年~1339年)は、約1年半前から修復作業に入っており、見学する事が出来ません。

近い将来、皆様がシエナにいらした時には、
ご覧いただけますように・・・

その日が訪れますまで、この場を借りて、
フレスコ画の世界を散策いたしましょう。

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