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2023年7月

2023年7月30日 (日)

葡萄の成長過程

春の多雨が明けた途端、炎天下にさらされた葡萄たち。

多大なストレスを感じながらも、
ここ、キャンティクラッシコ地区にある畑では、
葡萄が見事に育っていた。

気候が理想的な年は、
どの畑を見ても、見事な房が見れるけど、
今年のように難しい年は、
畑によって状況が全く違ってくる。

以前、私が見かけた悲惨な状況の畑は、無農薬だった。

でも、ここの畑は無農薬ではない。

葡萄だけみると、
見事な葡萄=美味しいワイン、が想像できる。

しかし、少ない葡萄にエキスが凝縮していて、
作り手の予測を裏切り、美味しいワインになるケースもある。

ワインは、葡萄のポテンシャル、作り手の知恵と労力、
気象条件が三位一体となり、
その年にしか味わえない自然の雫となって
私たちを陶酔させてくれる。

それを、気の長くなるほど繰返し、
ワインの伝統を育んできた土地に、
ロマンを感じる今日この頃です。

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2023年7月29日 (土)

シンプルな美味しさでボナペティート!

トマトとバジルとオリーブオイル。
なんて最強なトリオなんだろう!

それぞれが本物故に、
工夫やアレンジなど手を加える事なく、
さっと乗せるだけで、
美味しさを奏でてくれる。

皆さまも、夏野菜でボナペティート!

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2023年7月27日 (木)

スローライフな朝散歩

道路を散歩する雉の子たちを眺めていたら、
カーブの向こうから車が走行してくる音が聞こえたので、慌てて道路に立ち「止まって~!」っと手を振った。

こっちは冷や冷やしたけど、
雉たちは もたもたしながら、
草むらに戻っていった。

年老いた猫は、
そろそろオープンするバールのドアの前で

「開けてくれ~」と、呟いていた。

牧場を通りかかると、
社交的な馬がやってきて、
挨拶しては
仲間の元に戻っていった。

トスカーナの田園は、今日もスローライフです!
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2023年7月26日 (水)

贅沢な寄り道の時間

日没が近づき、ヒンヤリとした風が流れ始めると、
カンポ広場に人が集ってくる。

フォンテガイアの脇に屯す老婦人たち、
立ち話をする老紳士たち、
広場に腰を下ろす友達グループ、
一人姿の移民や旅行客、
犬を連れたシエナ人・・・

そこには、まるで学校帰りの寄り道のような、
穏やかな時間が流れている。

私たちはいつの間にか、
限られた時間で沢山の事を処理しようと、
せっかちに過ごし、寄り道を忘れてしまった。

でも、ここに集う人は寄り道を味わっている。

1962年4月6日、シエナの市議会はカンポ広場に自動車とバスの駐車スペースを廃止する条例を発布。

そして、1965年7月、シエナの歴史的地区に、
ヨーロッパ初の歩行者天国が生まれた。

当時、商店主たちから強い抗議があがったが、
車を排除する事で、シエナの街にスローなリズムが流れ、
カンポ広場は居心地のよいサロンとなった。

カンポ広場が美しいのは、その造形に加え、
息を抜いて、寄り道をさせてくれる、
そんな優しさにある、と感じる今日この頃です・・・

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2023年7月25日 (火)

畑で見た変わり者

向日葵畑に、太陽に背を向けた小さな向日葵がいた。

周りの向日葵たちに
「ほら、太陽の方をお向きなさい!」と言われているけど、
「暑いから、イヤッ・・・」と言って、背を向けている。

イタリアでは、変わり者を
『黒い羊/pecora nera』と表現するけど、
向日葵にもいるのね!

Pecora neraが!

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2023年7月24日 (月)

お父さんと過ごす夏

涼しさを求め、隣町のFiume Elsaで過ごした。

大人たちは木陰の川辺に寝ころび、
子供たちは、川で冒険を楽しんでいる。

沢山の親子を眺めながら、ふと、
私が小学生だったころ、
お父さんと川で過ごした事を思い出した。

その事が、どんなに素敵で掛替えのない時間だったのか?

何十年もの月日が流れ、今日、亡き父の誕生日に、
あの時の光景が優しく蘇る。

玩具を買ってもらうと子供は喜ぶけど、
こうやって、自然の中で両親と過ごす幸せは本物。

お父さんに手をギュッとつかまれ、支えてもらいながら川を歩く子供の姿が眩しく映る夏の光景でした・・・

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2023年7月23日 (日)

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2023年7月22日 (土)

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シエナの丘の上にある楽園

ここ、シエナのレオニーナでは
日没前に一瞬だけ
楽園の扉が微かに開き、
神様の庭を垣間見ることが出来る・・・

作家 Jean-Paul Philippe氏の作品 30周年

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2023年7月20日 (木)

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2023年7月19日 (水)

暮らしのヒント

100歳の暮らし
〈長寿の秘密が潜む沖縄の大宜味村〉

この前の日曜の新聞で、
沖縄の大宜味村の様子が見開きで紹介されていた。

ここイタリアでは、
生き生きと元気に暮らす高齢者を多く見かけるので、
イタリアにこそ健康寿命の秘訣があると感じていたが、
イタリアでは、大宜味村に
長寿の秘訣を見出そうとしていることが面白い。

SNSやWhatsAppを使用することなく、
仲間と過ごす時間を大切にし
控え目な食事をとる長寿たち。

ポストに収まり、〈いいね〉をもらう為なら何でもあり!
と駆り立ててくるアドレナリン、ドーパミン、競争心など無視し、生命を最大限に尊重し、生きる為に生きる大宜味村の長寿たち。

これが彼らの万能薬なのだろうか?

といった内容が綴られている。

この記事に触れ、
100歳人が多く暮らす世界の長寿地域
「ブルーゾーン」というものがある事を知った。

世界でたった5か所が指定されている中、沖縄、
そしてイタリアのサルデーニャ島も入っていて、嬉しくなった!

見知らぬ国へ新しいライフスタイルを探しに行くのではなく、私たちの国の、ちょっと離れたところに目を向けるだけで、より豊かな生活スタイルのヒントに触れる事が出来るのね!

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2023年7月17日 (月)

祭69回、プッチーニ音楽祭でのボエム騒動

プッチーニ音楽祭のボエム公演での出来事が話題になっている。

指揮者のAlberto Veronesiは舞台に登壇すると、
「私はこの舞台を見たくありません」と言って
黒いバンダナで目を覆い、
目隠しをしたまま指揮を始めた。

楽団も歌手も動揺を隠せず、
客席からは「出ていけ~!」とのブーイングが飛び交った。

何故、マエストロVeronesiはこのような行動に出たのか?

それは、舞台監督Cristophe Gayral(フランス人)が手掛ける’68の学生運動をモチーフとした舞台設定が原因だった。

Cristopheは、
パリで起こった1968年5月危機のシーンを用い、
その理由として

「ボエムの登場人物はボヘミアン的に生き、今を変えたい
  という改革の心を持っていたはず。
  だから、68年の学生運動のシーンを用いた」

と言っている。

それに対して、マエストロVeronesiは、

「ボエムの登場人物たちは、反政治の運動家ではない」

と唱え、

「舞台監督の独裁的な考えの元、
音楽が支配されてはならない」 と強く主張。

昨年の2月、舞台監督が構成案を説明した際、
マエストロは意義異論を述べなかったのだが、
公演日が近づくにつれ、
この反政治的な学生運動を彷彿させる舞台設定に強く反対するようになった。

それには、イタリア文化政務次官を務める
Vittorio Sgarbiの存在が関係している。

Sgarbiは、
「この舞台は反政治的な要素をもっている」と強く唱え、
マエストロに、指揮を辞退するよう、伝えていたが、
マエストロは、ボエムの指揮、及び、音楽祭のプロモーションの責任者の座を降りることはなく、当日を迎えた。

公演の後、マエストロは、
聴衆 及び関係者に迷惑をかけたとして降任となった。

この後、7月29日、8月25日の公演は
誰が指揮を務めるのだろう?

和を尊び、一致団結して成功を目指す、日本人。
観客へのサービスを一番に考え、興行を成功させ、
収益を生み出そうと奮闘する日本人からしたら、
マエストロのとった行動は、日本では考えられない事だと思う。

イタリア人には、柔軟な考えと個人のアイデンティティを重んじる人が多く存在する。

マエストロは自分の意思表明をこのような形をとってまで実行したが、イタリア人のコメントも気になるところ。

きっと、十人十色の意見があがるはず。

今回は、長文となりましたが、イタリアらしいな~、
と思って、この記事を取り上げてみました!
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2023年7月16日 (日)

2023年のワインを見守りたい・・・・

「うちの畑では、最高の葡萄が採れるんです。
 日の出から日没まで、
 ず~っと日光が当たる斜面なので、

 葡萄が良く熟しますからね」

昔、ワイン農家を訪ねると、
農夫は誇らしげにそう語ってくれた。

あれから20年。

気象変動が定着化した今、
これまで一等地とされていなかった、
森や林の影になって日照時間が短い畑や
標高の高い土地にある畑が、貴重な存在になっている。

来週も40度が続くトスカーナ。

ワイン農家はどのような施しを行うんだろう?

そして葡萄の木は、どのような知恵を働かせて、
実を結ぼうとするんだろう?

人は、問題なく調子が良い時は見えにくいが、
困難にあった時にどういう態度をとるかで、
その人の器やポテンシャル分かる時がある。

ワインも然り。

コカ・コーラとは違い、自然の賜物であるワイン故、
この困難にどう対処しながらワインを作り出すか?

2023年の収穫への過程と醸造が既に気になる今日この頃です。

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2023.7.15 動画日記

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2023年7月13日 (木)

2023年 試練の葡萄

春の多雨で病気になった葉が、
灼熱の陽から葡萄を守っている。

栄養不足と焼け付く日差で葡萄はチリチリに焦げてしまい
今年の収穫量は壊滅的だ。

それでも、残されたほんの僅かの粒に希望を託し、
農夫は、今日も朝早くから働いている・・・・

これまでも、多雨で冷涼な夏や
雨不足の猛暑が続く年があったが、
そんな年であっても、知恵と労力を搾りだし、
ワインを作ってきた作り手を知っている。

収穫まであと約2か月。

農夫の戦いは続きます・・・

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夏本番、開幕です!

トン、トトン!と小太鼓の響きで幕が開くように、
ポン、ポポンッと向日葵が開花しはじめ、
今年も夏祭りが幕を開けた!

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2023年7月11日 (火)

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逃げろ!Riccio(ハリネズミ君)たち!

アルドおじさんの犬がRiccioをくわえ、
誇らしげに走ってきた。

Riccioを救い上げると、
じっとした様子とは裏腹に、ドクン、ドクンとした荒い鼓動が手のひらを叩いている。

「向こうの丘に逃がしてあげましょうか?」

「あそこはダメだ。
 トラクターで草刈り機が通ったら殺されちゃう。
 門の外に逃がそう」

Riccioをまじかで見た瞬間、
私の心も鼓動していた。

あちこちの丘で草が刈られる光景を見ると、
「無事に逃げてね Riccioたち」
と願う今日この頃です。
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2023年7月 8日 (土)

イタリア人のcafeへの拘り

1~2分の遅刻について、
日本人は気にするが、
イタリア人は全く気にしない。

カップに注がれるコーヒーの量について、
日本人はさほど気にしないが、
イタリア人は、
1~2ミリの量の違いを気にかけたりする。

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2023年7月 7日 (金)

味のあるオーナーのいる美味しい食堂

ラポラーノの町にある食堂「La Patria」
オーナーのパンチーノ(通称)は独特の個性の持ち主で、店内には、彼が醸し出す独特のスパイスが漂っている。

ある日、閉店近くに客がやってきた。

「すみません、まだ入れますか?」

「閉店だ。朝から働いて、クタクタなんだよ!」

すると、客は困惑した口調で続けた。

「あの~、客の中にスティングがいるんですよ・・・」

しかしパンチ―ノは、少しも怯むことなく
「こっちは朝から働いて、クタクタなんだ!」
と言って、スティングを追い返した。

先日、テーブルに料理を運んできたパンチ―ノに聞いてみた。

「ねえ、スティングのエピソード、ほんと?」

すると、隣のテーブル客が笑いだした。

パンチ―ノにとっては興味のない話題らしく、
「疲れてたからね」と言って、その話題には乗ってこなかった。

お皿をもちながら、厨房と客席を往復するパンチーノ。

いつもブツブツと独り言を言っているが、
店が忙しいと、彼のストレートでパンチが効いたセリフを、苦手ととる客もいれば、味わいととる客もいる。

この店のお薦めはローストビーフ。

今日も最高に美味しく味わいました!

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2023年7月 6日 (木)

クラシックカー コレクション 『1000MIGLIA』

クラシックカーファンの方!!!

2023年6月、クラシックカーの祭典『1000MIGLIA』でシエナを走り抜けたクラシックカーを、存分お楽しみください!

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2023年7月 4日 (火)

シエナ 7月2日のパリオ祭

シエナには17のコントラーダ(地区)が存在する。

長い時間をかけて蓄えられた地区の史実は魂となり、その地区に属する人々の内に宿る。

シエナのパリオとは、馬を持ちた地区対抗の競技だが、「レース」というよりは「地区保存本能」のような意味合いが強い。

その地区に住む人々の結束と誇りを高める為に、
勝利は必要であり、
また、敵対するチームには
絶対に勝たせたくない、という戦いのニュアンスもある。

7月2日に行われたパリオでは、
Selva(森)が優勝を勝ち取りました。

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