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2019年8月

2019年8月18日 (日)

行きつけの店

小腹がすくと、
サンマルティーノ通りにある切り売りピザの店に立ち寄る。

オーナーのファビオの他に、3人くらいのスタッフがいて、
その中でも、まるで肉屋のような体格をした男が面白い。

「ん~、またこのピザを食べたいけど・・・
 チーズがたっぷりと乗ったこれを食べ続けると、
 コレステロールがあがっちゃうんでしょうね~?」

「お前さん、今、体の調子が悪いのかい?」

「いいえ、体調いいわよ!」

「だったら、何が問題なんだい?」

そう言って、チーズの乗ったピザを釜に入れて温めた。

私は、彼の対応にスッキリした。

「ねえ、ここで働いてるから、毎日、ピザを食べてるんでしょ?」

「俺は食べないよ。ピザ、嫌いなんだ。
 34年間、ここで働き続けてるけど、ピザは食べない」

「え~! じゃ、何食べるの?」

「パスタや肉。でも、ピザは食べない」

イタリアに来て20年。ピザが嫌いという人に初めて会った。
しかも、私のお気に入りのピザの店で・・・

ここのピザは美味しい。

生地の触感、塩加減、ボリュームある具材、
そしてここで働くスタッフの飾らない対応。

シンプルだけど、活気を感じる。

私は、スマホでお店を選ぶのが好きではない。

「ピザ選手権で優勝した店」
「テレビで紹介されていた老舗の店」
「拘りの素材の説明にしつこい店」等々・・・

いつの頃からか?
人は情報を味わっているような気がする。

私は情報よりも、味気あるものを気楽に美味しく食べたい。

だから、サンマルティーノに通い続けます!

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2019年8月16日 (金)

涼しさと温かさのコントラストが気持ちいいです

穏やかな陽と涼しい風と温泉・・・
贅沢に浸りました。


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2019年8月15日 (木)

素敵な週末をお過ごしください!

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2019年8月13日 (火)

今日みかけた光景

若者がお爺さんの歩調に合わせ、
労りながら歩く光景に触れ、柔らかい気持ちになった。

更に歩き続けピスピニ門を過ぎると、
停車した車から、自分用の車いすを組み立て
下車している男性をみかけた。

家族は4人。

車椅子の父の傍らには、
10歳くらいの少年が付き添って歩き出した。

母親と少女は、父親の前方を歩いている。

ある程度進んだところで、父親と少年が立ち止まって話をし
少年は車に戻って走り出した。

何かを手にして父親のところに戻ってくると、
父親は「これじゃない!」と声をあげて少年をはたいた。

少年は泣き言を漏らし、また車に向かって走り出した。

父親は「急げ、急げ!」と大声で急き立てている。

この世には、障害者やお年寄り、小さな子供など、
弱者と扱われる人が存在する。

同時に、弱者や病人を支え、
時にはじっと耐える人達の存在に改めて気づかされる今日この頃です。

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2019年8月12日 (月)

裏路地が好き

歴史を誇るシエナの街だけど、メイン通りでは、
イタリア全土でみられるチェーン展開の下着やアイスクリームの店、窓ガラスに書かれた「バーゲン 70%オフ」そして店先から漏れるヒットチャートの曲等々・・・
中世の趣きよりも「商売」のメッセージが強く飛び交っている。

一方、裏路地や小さな道を散策してみると、
窓から漂う料理の支度の香り、
歌のレッスン、職人が釘を打つ音など・・・

その町で暮らす日常の音や香に触れる音が出来る。

私は裏路地の散策が好きです!

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2019年8月11日 (日)

残暑お見舞い 申し上げます


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2019年8月 5日 (月)

ご協力くださる方、メッセージをお待ちしております!

これまで、沢山の方が日本からシエナに訪れてくれました。

短い滞在の後、お見送りの際には
「また来たいです♪」と言っていただき、
実際、多くの方がシエナに再度、訪れてくださいます。

ヴェネツィア、ナポリ、シチリア、ヴェローナ・・・

イタリアには沢山の観光地があるにも関わらず、
貴重な時間をシエナにあてがってくれるのは、何故でしょう?

それは、買い物の為でもなく、
特定の料理を食べにいらっしゃる訳でもありません。

ただ単に、シエナに住むイタリア人と笑顔を交わう為です。

シエナ人が集う普通のバール、
飾り気のない食堂に日本の方をご案内すると、
シエナ人は、いつもと同じトーンで日本の方に挨拶を交わし、
いつものように、笑顔で会話を投げかけてくれます。

そんな空気に触れた途端、日本の方の心はフワッと開き、
イタリアを心から堪能してくれます。

さて、今回、シエナ出身の21歳の青年、フィリッポ君が
友達(男性)と一緒に憧れの日本に旅行する事になりました。

日本の方が、シエナで楽しいひと時を過ごしたように、
フィリッポ君にも、商品化されたサービス以外に、
素顔の日本を感じてもらいたい・・・

そう思い、皆さまにお声がけしてます。

フィリッポ君は、アニメ映画「君の名は」、
宮崎駿監督の「風立ちぬ」、そしてONE PIECEなど、
日本のアニメが大好きで、
歌舞伎町にある新宿東宝ビルのゴジラ、
東京タワーにあるワンピースタワーを見学する他、
日本人しか行かない飲食店での食事体験、
日本の情景や自然に触れたがっています。


※宮崎駿監督のアニメの話題をしている時に、

  感動が蘇り、鳥肌を立てながら話してくれたフィリッポ君。
  とても純情な21歳の青年です

旅程は、8月30日(金)~9月9日(月)

前半の6日間は東京を拠点に、
残りの4日は京都で過ごします。

日本とシエナの小さな親善の為、
皆さまから訪問地や飲食店のご提案、
アテンドのオファーをいただけましたら嬉しいです!

どうぞ宜しくお願いいたします!

 

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2019年8月 4日 (日)

今月の骨董市でのお買い物

今日は骨董市で、2枚のコインを買った。

1枚は、ショパンが亡くなった1849年。
そしてもう1枚はベッリーニの生まれ年1801年のコイン。

彼らが生きた時代の庶民は、このコインで何を買ったんだろう?

カード払い、電子マネーが主流になりつつある今日。

ダイヤル式の電話を使った事のない人がいるように、
コインや紙幣を使って買い物をした経験者がいなくなるのも、
遠い将来ではないような気がする。

コンピュータは画期的に便利だけど、
便利さを追求しすぎるあまりに、
人間の文化を削いでしまうようで、
なんだか複雑な気持ちになる今日この頃です・・・

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村と猫とコンサート

小さな小さな村、ムルロの門をくぐると、
今夜のコンサートのリハーサルの声が響いていた。
人影がない道端で、
ある猫は姿勢を正して、ある猫は寝そべりながら、
特等席で歌声に聴き入っていた。

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2019年8月 2日 (金)

向日葵とみつばち

沢山の向日葵、そして沢山のミツバチ!

保存料、着色料などの添加物、農薬・・・
化学物質なしには生活が出来なくなっている私たち。

私たちが便利を感じているのとは裏腹に、
私たちの体の細胞や自然は、息苦しさを感じている。

大昔から受粉を営み、
地球に緑をもたらせてくれたミツバチ。

環境汚染に敏感な彼らが活き活きと飛び交う畑を前に、私の心も飛び回る今日この頃です!

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2019年8月 1日 (木)

時間と共に熟成させる生き方

友達に誘われ、森の中にひっそりと佇むお城を訪れた。

この城の持ち主はフィレンツェ出身の青年で、
彼は先祖が残した城を、コツコツと修復している。

年に1回コンサートを開き、
演奏の後には自らが手掛けた料理を招待客に振舞う。

彼は決して自分の存在を主張する事なく、
皆と軽い挨拶を交わしながら空気を和らげていて、
皆が交流を楽しむ様子はまるで、数世紀前のサロンそのものだった。

ワインの効能も加わってか、
彼方こちらで、歴史、自然環境問題、執筆している本の話題、
手掛けているイベントの話題等で賑わいが増した。

私は「貴族の末裔の集まり」という事に怯むことなく、
そこにいる人たちに色々な質問を投げかけた。

すると彼らは顔をパッと輝かせ、得意気に各々の見解を語り、
時には隣人の意見に異議を立てながらも、ユーモアを差し込みながら話しを続ける。

時間を費されて建てられた城

今日までの長い時間の経過・・・

時間をかけて修復するフィレンツェ出身の青年。

彼が時間をかけて手掛けてくれた料理。

小さな頃からレッスンに励んできた若い演奏家たちが奏でる音楽。

サロンに集まった人々の、
時間をかけて取得した知識の交わりあい。

表面的な人との交わり、
一時的に詰め込む知識、
技術の力で、本来の自分以上に見せるトリック、
「時間をかけずに効率的に済ませる」という事が、
いつの間にか身についていた事に気づかされる。

ワイン、オリーブオイル、代々伝わる家族経営、
伝統、歴史、家族や親せきの付き合い・・・

時間が作り上げるものが数々存在するトスカーナ。

だから私は、シエナが好きなんだと思った。

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