モッラから教わった事
数日前の冬晴れの午後、
いつものようにモッラは思いっきり草原を走り回っていた。
その時は何の兆しもなかったけど、
その日の夜から左前足を浮かし、びっこをひき、
終いには歩けなくなった。
私はパトリッツィオに
「すぐに獣医さんに診てもらうべきよ」と言うと、
「3日もすれば治るさ。子供にもよくあることだろ」と言い、
モッラを見守った。
2日が経ち、モッラは歩けるようになって
3日目からは何事もなかったかのように全速力で走り始めた。
ちょうど、モッラがびっこをひいていた頃、
私は、歯の痛みに悩んでいた。
左がズキズキしたり、今度は右がズキズキしたり、
痛みの箇所が変わっていった。
「このまま、私の歯はどうなってしまうんだろう?
きっとお金が掛かる事になるのかな?」
と暗い気持ちになった。
パトリッツィオに言うと、
「炎症してるんだよ。薬を飲んで、炎症を抑えれば大丈夫」
と言われ、鎮痛剤を1錠、飲んでみた。
薬を飲んだ事で自己暗示が効いているのか?
歯の痛みは引き、それから数日経つけど、
歯の痛みはどこかに飛んでしまった。
私は身体の不調を察知すると、
すぐに大袈裟にとらえて悲観してしまう。
それに引き換え、パトリッツィオは
「大したことない」と言って、
まるで野生動物のようにじっと治癒を待つ。
そんな彼の影響を受け、私もゆっくりと、変わってきた。
春~夏にかけて、いつも蕁麻疹が出る。
以前は
「何が原因なの?このまま数か月続いたら、どうしよう?」
と怯えたけど、今では、
「あーまた出てきた!
どうせ2~3日で引くでしょう。我慢、我慢」
と受け止めている自分がいる。
腰痛の兆しがあっても、息の乱れがあっても、
昔のように脅かしの妄想に溺れる事はない。
50歳から、体にガタが出てくると思うけど、
体の錆を気の持ちようで磨いていきたい、今日この頃です!
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