日本帰省の思い出1
9月3日、台風が日本に上陸する前日に成田に到着し、
18日にイタリアに戻ってきました。
短かった日本滞在を懐かしみながら、
いくつか綴っていきますね。
【女一人飲み その1】
今回の帰省中も、地元の居酒屋によく通った。
私は決まって、カウンターの奥から2番目に座り、
熱燗、そして 「ぼんじり」と「せせり」を2本ずつ注文した。
東京で人と会った帰りに立ち寄るので、
お店に出没するのは決まって23時以降。
この日は2つ離れた席で、年配の男性が本を読んでいた。
店長が熱燗を運んでくれると、私は一人でお酌をし、
読書の男性にむかって「乾杯」と言って、飲み干した。
男性もつられるようにグラスを持ち、乾杯の合図をした。
「何を読んでるんですか?」
「浅田次郎です」
「へ~。神様の話なんですか?」
すると男性は、同じ形容詞を繰り返しながら、
浅田次郎について語り始めた。
中でも「地下鉄に乗って」がお勧めで、
終盤からの盛り上がりが凄いらしい。
本以外に、ここ地元の昔の様子も語ってくれた。
厨房では店長の奥さんが料理を担当している。
やせ型の彼女は頑張り屋で、店長が倒れた時でも
「御客様あっての私たちですから」といって、
一人で店を切り盛りしていた。
レジから
「ありがとうございます。お気をつけてお帰りください」
と御客を見送る店長の声が聞こえる。
その人情味あふれた声を聞くと、気持ちがホッコリして、
熱燗がどんどん柔らかく変化していく。
店長や女将が、ポツリポツリと話しかけてくれて、
隣の客とも、ポツリポツリと会話を交わしながら、
お銚子2本を飲み干し、
気持ちがすっかり温まったとところで、お店を出る。
店の居心地の良さが、お酒をより美味しく醸し出してくれる。
この日の熱燗も、最高に美味しかったです!
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