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2018年7月26日 (木)

豊かなバカンス

今日は、パトリッツィオがグローセットの病院で
7:30から検査を受ける日だ。

グローセットの街まで車で1時間。

そして、この病院から車で10分の所に、海が広がっている。

これは、バカンスをアレンジしない手はない!

11時に検査を終え、私たちは意気揚々と車に乗り込んだ。

「キヨミ、何処のビーチがいい?
 こっちの道を選ぶとプリンチピーナ。その奥がマリーナ。
 反対の道を選ぶとプンターラだ!」

「名前を言われてもイメージが湧かないから、任せるわ」

「じゃあ、プリンチピーナに行こう。
 人が少ないし、自然そのものだからな」

それを聞いた時
(ん? いつもの場所かな?)という予感がした。

いつもの場所とは、愛犬モッラを連れて訪れる林に隣接した海岸で、周囲には何もない。

でも、今日は違うのだ。

この時期、友達は やれナポリだ、やれ北欧だ・・・
といってバカンスに出かけている。

一方、私たちはいつも通りシエナで過ごしているので、
せめてこの半日は、バカンス気分を味わいたく、
豪華な場所で過ごそう、と企てていた。

プラスチックのデッキチェアーではなく、ソファーベットを借り、
そこでノンビリと本を読みながら過ごす。
ランチは、高級感漂うレストランで海の幸を堪能し、
その後はさざ波を聴きながらうたた寝をする・・・

そういう私のアイデアにパトリッツィオも承諾したので、
それなりの施設を見つける気 満々でいた・・・

車の行き付いた場所は、
やはり、見慣れたプリンチピーナの海岸だった。

上昇していく気温とは反対に、私のテンションはグッと下がった。

エンジンを止め、
パトリッツィオが私の顔色を伺うように言った。

「海の家がいい、というなら、そっちに行くぞ?」

「ん・・・この前は春だったから良かったけど、
 どうするの? 
 パラソルもないし、私たち太陽の元でジリジリじゃない!
 とにかく、行って様子をみましょう」

駐車場から海岸に向かう途中、
見た事もないユリのような花が咲き誇って、
ジャスミンのような甘い香りを放っていた。

パトリッツィオは長い枝を拾き、歩き続けた。

海岸に着くと、彼は枝を柱に見立て、
そこにシーツを覆ってテントを作った。

直ぐに崩れるかと思ったけど、
風を受けながらもしっかりと立っていた。

「え~、凄い 凄い!」と喜ぶ私を見て、

「俺たちのヴィッラ(屋敷)だぞ!」

とパトリッツィオは誇らし気に言った。

海は遠浅で、ずいぶんと沖から離れた所に行っても、
海から私たちのヴィッラはオリジナルすぎて直ぐにわかった。

私はすっかりご機嫌で、海に入ったり、
ヴィッラで昼寝をしたりを繰り返した。

私は《スペシャルな事》と言うと、どこか手厚いサービスを得られる高級感溢れる場面を考えてしまう。

でもパトリッツィオにとってのそれは、
創造して作り上げる事。

決してお金を節約したくてそうしているのではなく、
楽しいから、そういう機会にアンテナを張っているだけの事。

この遊び心があれば、
普段の日常生活がとっても豊かになるんだよね!

イタリア人から、豊かさの定義を学んでます♪

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