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2018年6月30日 (土)

芸術と文化のある生活

通い慣れたバールの傍にある、
チェーザレ・ブランディの邸宅を訪れた。

チェーザレ・ブランディとは、
1906年~1988年にシエナに生きた文化人で、
貴族出の彼は十分に財産を持っていたけれど、
大学の教授として教鞭を執っていた。

修復の権威として知られているが、
修復以外の本や詩も手掛け、
絵画や音楽を愛し、旅行と食事を楽しんだ。

彼の元に世界各国から様々な芸術家が訪れ、
チェーザレの手厚いもてなしのお礼に、
沢山の作品が寄贈されていた。

以前、1945年の古い映画
「A Song to Remember 楽聖ショパン」を見た時、
ショパンとリスト、ジョルジュサンドがサロンやカフェに集うシーンに偉く惹かれた。

この部屋でも、文化や芸術の話題が飛び交っていた事を想像すると、「ワ~っ」と胸が一杯になった。

来客との食事の部屋には大きな暖炉があり、
調理道具が作品のように並んでいた。

「これ、何か分かりますか?
 チョコレートポットなんですよ。
 そしてこれは、アイスクリームを作る道具。
 これは銀のフォークとナイフを収納する為の箱・・・」

案内係のマヌエーラのフレンドリーな口調とパッションがこもった説明のお陰で、ここに並んでいる道具に温もりを感じた。

2階にはゲスト用の寝室があり、どの部屋にも
ひざまずいてお祈りをするための台(inginocchiatoio)と十字架があった。

昔は、どの部屋にもinginocchiatoioがあったらしい。

イタリア人が芸術と文化をこよなく愛し、共に生きる豊かな精神とその生活模様に触れ、深い感銘を受けた今日この頃です(*^^*)

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