心配の小枝を剪定
ランチ時、パトリッツィオは手の甲をいじっていた。
「最近、朝になると赤いポツポツが出て痒いんだよ」
「あら、私もつい最近まで、蕁麻疹が続いてたわよ。
手首や足に出たり引っ込んだりするの。
それで? お医者さんにでも診てもらいたいの?」
「まさか! このくらいの事で病院なんて行けるか!」
「私も! 気にしなくなったわ」
去年の夏、
私は体中に浮き上がる蕁麻疹に絶望していた。
続いて、秋は腰痛に悩まされ、
冬には2か月もの間、胃痛が続いた。
体力の衰えを感じ、鉄分をとっても調子が今一だったので、
ピロリ菌が鉄分の吸収を邪魔していると思い込んでいた。
日本に帰省した時、ピロリ菌の検査や胃カメラ、
そして、目がくすむ為、眼球の検査などをしたけど、
問題は見当たらなかった。
どうやらストレスを抱えた時、悪い方向に思い込みが進み、
脳がその影響を受けて、体に良からぬ指令を出していたと思う。
だから今では、
歯茎がズキズキしても、蕁麻疹が出ても、
女性の日特有の症状が重くっても・・・
「あら、いらっしゃ~い!
でも私、こんな事で塞ぎこんだりしないわよ!
脳が悪戯の指令を試みたって、
ひっかからないんだから!」
と自分に言うようにしている。
実際、気が付くと症状が引っ込んでいる。
今朝、クララを尋ねた時、目が痒いと言っていた。
「でもね、キヨミからもらった無農薬のフェイスクリーム、
あれを目の周りに塗ると、症状が治まるのよ!」
「あら!そんな事ってあるの?
明日、また持ってきてあげる!」
と約束した。
今日も晴のち雨。
春になってから、こんな天気が続いている。
晴れ間に雲が現れた時
「あ~、このまま真っ暗になっていって、風雷が訪れ、
災害が起こったらどうしよう?」
と考えるのは異常だ。
でも、昨年の私ときたら
「あ~、この体の現象は何かの前兆なの?
どうして、こんな症状になったの?
このまま、どうなっちゃうの?・・・」
と異常なほどに深刻に捉えていた。
50年も生きていたら、
体の機能がもろくなっていくのが当たり前。
シエナで付き合いの深い友達は、60歳を超えた人が多く、
彼等は病気や介護を抱えているけど、
集まって話す事と言えば、
最近読んだ本の感想とか、歴史にまつわる会話、
そして、最近起きたトラブルの話題等・・・
現実的な描写が多い。
そんな彼等を観察しながら、
私の脳にニョキニョキと生える心配癖の小枝を剪定して、
通気性良く身軽に生きるフォームを身に着けていきたいです!
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