年を重ねるごとに、チャーミングを身に着けたい
今日はアンナの誕生日。
午後にいつもの4人でバールで会う約束をした。
私とパトリッツィオは10分前に到着。
ショーウィンドウにある素朴なケーキと
「9」のナンバーキャンドルを注文し、
バールのスタッフに、アンナとマウロが到着したら、
スプマンテと一緒にテーブルに運んでもらうように頼んだ。
アンナたちが到着。
いつも上機嫌な彼女だけど、
赤いジャンパーとスカーフをまとった彼女は、
更に若返ったように見える。
「おめでとう!59歳ね!」
「ん~、実は今日でジャストになったのよ! 60歳!」
〈なんてこったい・・・・〉
てっきり59歳だと思い込み
「9」のナンバーキャンドルを準備してしまったことに後悔する私の傍らで、パトリッツィオとマウロはニヤッと目を合わせ、ライターを取り出して工作を始めた。
「9」の頭についた紐の部分をちぎり、
ライターで炙りながらそれを「9」の下の部分に接着。
するとナンバーキャンドルは見事に「6」に姿を変えた。
「59歳から60歳へのお誕生日にピッタリだわ!」
とアンナは喜んだ。
イタリア人は、日常生活中に点在する
「あれ、間違えちゃった」という事に遊び心で向き合う。
そこに費やされる工夫と細やかな達成感があって、
生きた笑顔を保っていられるのかもしれない。
「完璧」を基準において小さな失敗に動揺するより、
イタリア式に構えて、笑顔を増やしていきたいな~、
と思う今日この頃です。
| 固定リンク