夕焼け色のワイン
カステッリーナ イン キャンティにある
小さなワイナリー「チェンニーノ」を訪ねた。
到着すると、ドイツ人女性のニーナの案内で、
葡萄畑を散策した。
ニーナは優しさの中にもしっかりとした信念を持つ美しい女性で、彼女のあまりにもピュアな感性に、神々しいオーラすら感じた。
暫くすると、エノロゴのマッテオが現れ、
醸造の説明の後にロゼワインをグラスに注いてくれた。
「色は、玉ねぎね」
私はワイン関係者の間で使われる、
オレンジがかったロゼワインを表現する時のワードを口にしてみたけど、直ぐに言い直した。
「夕焼け色ね!」
するとニーナは
「そうなの。ここから見た夕日、このワイン色をしてたのよ」
と言って、写真を見せてくれた。
続けて私は、テイスティングの感想を述べた。
「綺麗な酸味がもたらす清涼感は、今日の空気みたい。
春先のヒンヤリとした空気。
そこに咲く野の花のように、赤い香が可憐に漂っている。
私、好きだわ!」
するとニーナもグラスを吸い込み
「私は海も感じる。ミネラル!」と言った。
パトリッツィオはエノロゴのマッテオに、
「彼女たちは、醸造のテクニックを消費者に伝えるよりも
自然から受けるエモーションやハーモニーを
伝えたがっているのさ」
と伝えると、マッテオは、
「このロゼワインには、
ロレーナのバラ、という名がついている。
ロレーナというのは、オーナーのお母さんの名前。
お母さんはこのロゼが好きなんだ」
と教えてくれた。
この蔵のワインは、まだ日本に1本も渡っていない。
ここの葡萄たちが眺める夕焼け色のワイン、
是非日本の方にもお届けしたいな♪
ワインは生活必需品ではない。
でも、ワインは私たちの疲れた心と身体をほぐして、
美味しく癒してくれる。
それ故に
「この人といて、気持ちがいいな」と思えるような、
前向きで清々しい人が携わるワイナリーのワインを仕入れたい。
このワイナリーで作られるロゼとキャンティクラッシコ。
私のワインリストに登場します!
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