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2018年2月 1日 (木)

シエナでの試飲会の回想記

トスカーナのブースで赤ワインの試飲を続けた。

モンタルチーノで生産されるサンジョヴェーゼは
ボディーがしっかりとしている。

同じ土地の同じ葡萄品種を飲み続けていると
口中の感覚が鈍ってくるので違う葡萄品種を挟みたく
メルロー100%のワインを試した。

DESIDERIO(デジデリオ)2014

日本のサイトでは、8000円ほどで販売されている
ワイン通には知られたワイン。

ちょっと注いでもらっただけなのに、
グラスに深みある香りが充満し、
まるで地響きが迫ってくるようだ。

熟れたチェリー、プラム、ドライフルーツ、
ジャム、カカオ・・・長く続く余韻の中にも
フォンデンテのチョコレートが味わえた。

しかし、ふと思った。

2014年にして、
どうしてこのポテンシャルが出せるんだろう?

2014年のトスカーナは、
内陸より温度が高い海側でも25度が続いた冷夏の年。

加えてメルローは他の赤葡萄品種より収穫時期が早い。

オリーブオイルに関しては、
この年に搾った油は辛味と苦味成分が少なく、
マイルドな仕上がりとなり、
日本のお客様には喜ばれたけどシエナ人は物足りなさを味わった年だった。

そんな2014年ヴィンテージでも、
ポテンシャルの強いデジデリオ。

デジデリオとは欲望という意味を持つ。

〈どんな年でも、あなたの期待を保証し続けます〉

という企業努力が込められたワインなのかな?

世界には沢山のワイン愛好家がいて、ワインの好みも様々だ。

DESIDERIO(デジデリオ)2014の生産本数は31,260本。

この手のワインは、名の知れたインポータを通じて
世界で販売されている。

対して自然と共存した結果からなる自然派ワインは
生産本数が少なく、年によって出来が違ってくる。

カバンに例えると、ブランドを好む人には、
ステイタスを感じてもらえるようなメッセージの訴求が大事だけど、職人が手掛けるカバンの場合、全く違う点を訴求していかなければ、お客様に伝わらない。

同じ品種のワインを試飲し続けると感覚が鈍るように、
小さな作り手のワインを扱いたいからと言って、小さな作り手の試飲会ばかりだと感覚が鈍るかも。

今回、大手のワインの試飲会を通じて、
色々な事に気付かされる今日この頃です。

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