八百屋はエンターテイメント
鮮度に拘りたくて、小雨の降る中 バスを乗り換え
生産者さんが直売する八百屋に行った。
番号札を手に、飛び交う会話に耳を傾けながら
自分の番を待つ。
「ラディッキョちょうだい」
「丸いの?それとも長いのですか?」
「長いほう」
すると八百屋の女性は、
棚のラディッキョを次々に軽く握り、
「柔らかいのしかないですね・・・」と言うと
「そう。仕方ないわね。じゃあ、丸いのでいいわ」
と告げ、女性客は次々と野菜を指定して言った。
ブロッコリーの品種にも拘り、林檎を注文する時も
「粉っぽくないやつね」と加えた。
この女性客以外も、
皆、何かしらの拘りを八百屋に伝えている。
そして私の番がやってきた。
「あ~、レタスください。ジェンティーレの品種の」
ただのレタスではなく、品種も伝えてみた。
すると「赤? それとも緑の?」と聞かれたので、
「赤いの」と何の根拠もなく返事した。
(緑のレタスと、葉の先が紫がかったレタスと どう違うんだろう?)と一瞬思ったが、このまま知ったかぶりをして買い物を続けた。
ラディッキョ、ニンジン、玉ねぎにセロリ・・・
林檎を指定する際には「粉っぽくないやつね」
と前客のセリフを真似してみた。
イタリア人は食に対する拘りが高い。
そして、ここに買いに来る人の食材に関する拘りは、
特に高い!
真剣に野菜を選ぶ客の空気に触れるのは楽しい。
いつもはスーパーで「特売」「40%off」のプラカードと対話してしまいがちだけど、生産者さんが販売する店での買い物はエンターテイメント。
ちなみに、この日に買ったレタスは最高に柔らかく
洒落たサラダを楽しみたい時にはこれだね!と
私にも拘りが持てた。
皆さんも地域には、どんなお店がありますか?
パッケージにも様々な情報が印刷されているけど、
作り手さんと触れる僅かな時間が、
エンターテイメント化している今日この頃です♪
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