50歳に近づくから、剪定!
朝の8時過ぎにパトリッツィオから電話が入った。
「キヨミ、明日から天気が崩れる。
海に行くなら今日が今年最後だ。どうする?」
いつもなら「行こう!」と即答するけど、
やり終えたい仕事があったので少し躊躇った後、
「行きましょう!」と返事をした。
後部席の窓からモッラが上半身を乗り出して、
車がやってきた。
「仕事があるけど、海に行くわ。
この前みたいに夕食をレストランでとらずに、
早めに帰ってくる事にする。
夜に仕事が出来るから。それから、
今日は現金の持ち合わせが20ユーロしかないの。
銀行で下ろし忘れた」
「キヨミ~、色々と考えすぎ。
これから一日が始まるというのに、
帰りの時間なんて考えなくていいんだ。
ガソリン代と食事をする金なら俺もある。
車が走って、キヨミがいて、モッラがいて、
それでいいんだよ。
お金を下ろすために何処に立ち寄るとか、
時間を決めてルートを計画すとか・・・
思考から解放されるんだ!」
「そうだった! 私、すぐに考えてしまうわね!」
私は9月に入ってから腰の痛みに悩まされていた。
「秋からのオリーブオイルやワインの発送、
どうしよう?」
焦りを募らせ、整体に通い、ストレッチをし、
病院消で炎鎮痛剤を処方してもらったけど、
腰の痛みは1か月を過ぎても治らずに
私は暗くなっていった。
そして発送の仕事に取組み始めたあたりから、
腰の痛みが軽くなった。
梱包作業を始めてからは、
不思議と腰の痛みが感じられなくなった。
「腰痛ってストレスや思考が影響するっていうけど
本当なんだ!」
私は典型的なA型で、計画を緻密に立てたり、
物事を考えすぎてしまうタイプだ。
頭や気持ちを使いすぎると体に症状が出る事を知った今、これから先に進むには、抱える事を少し減らして、思考を軽くしなければ、と思った。
切り捨てる事を「可能性の縮小」と捉えないで
「思考の剪定」と呼ぶ事にする。
母体を健全に、そして
将来の実りを確実なものとしていくための手段。
50歳に近づくにつれ、体や気持ちの不調や波に翻弄されるけど、なんとなくこれからの生き方のリズムが分かってきた。
ますますイタリア式スローライフで、
心身の健康を心がけます!
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