【アッシャーノの美術館 その1】
シエナの近郊にある
アッシャーノという小さな町の美術館に行った。
美術に疎い私でも、友達の説明のお陰でかなり楽しめた。
「キヨミ、こっち来て」
アッシャーノの市役所で働くアンジェロが手招きした。
「見てごらんよ、この額縁。素晴らしいだろ!
この面には音楽のシンボルが、
そして側面には大工道具が掘られてる・・・」
「こっちの絵を見てごらん。
アンブロージョ・ロレンツェッティの作品だよ。
以前、あの額縁の中にこの絵が収まっていたんだけど、
彼はあえて絵の淵に緑色の額縁を描いていたから、
額縁を外したんだ」
「なるほどね~」
アンブロージョ・ロレンツェッティ(1319-1348)は、
シエナ派の画家。
シエナの市庁舎内で、
彼の手掛けた有名なフレスコ画を見る事が出来るけど、
彼の作品を、アッシャーノの美術館でも見ることが出来た。
アンジェロからの一言の説明は、
まるで額縁のように、
私の記憶をくっきりと際立たせてくれます。
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