家庭農園のある理想の生活
散歩の通り道に、マルチェッロの家庭農園がある。
彼は家にこもっていられない性分で、
ここを通ると、体外、外で作業をしている彼から声がかかる。
「ボンジョ~ルノ!」
「ボンジョ~ルノ、マルチェッロ。トマトはどう?」
「オ~!美味しく成ってるさ。見に来て!」
美味しそうな色に熟れたミニトマト達。
灼熱の太陽を浴びたトマトはとにかく甘い!
トマトは酸味があると思っていたけど、
こうなると完熟フルーツそのものだ。
「夜中になると、ハリネズミが現れて瓜を食べちゃうんだ」
大きな瓜が豪快にかじられた様子から、
今頃、満腹なお腹を抱えてスヤスヤ眠るハリネズミの呑気な寝姿が想像できる。
「素敵な農園ね」
「畑は楽しいよ。このトマトを使ってトマトソースを作るんだ。
年金もあるし、家もあるし、恵まれた生活だ。
妻がますます動けなくなってきたから、
掃除も料理も全部俺がするけどね」
昔、バスの運転手をしていたマルチェッロは社交的で、
いつも、パンパンな笑顔で挨拶を投げかけてくる。
奥さんが歩けなくなってからは、
外食する機会もなくなったそうだけど、
野菜を友達に届けながら、今の生活を謳歌している。
マルチェッロに限らず、周囲を見渡すと、
畑を趣味としている高齢者の表情は凄く生き生きとしている。
私も将来は、畑したいな~
小さな家と、広い庭。
大切な人たちと心身の健康。
これらが揃ったら最高の贅沢!
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