« 小田ルイさん | トップページ | 大きな声では言えませんが・・・ »

2017年7月10日 (月)

2017年のオリーブオイルは、2つの作り手に絞ります

2017年の秋に誕生するオリーブオイルの状況を把握したく、作り手と連絡を取り始めた。

まずは、シエナにあるファンチュッリ農園。

この作り手はシエナ県内の様々な場所に畑を所有しているため、畑の立地によって、実のある畑と残念な畑がある。

秋の収穫量は少ないながらも、
日本の皆様にはお届けできそうだ。

続いて、シチリア産のポリフェーモ。

販売責任者のジャンルーカに話を聞いた。

昨年はミバエ等の影響で収穫量が減少し、
私の希望する注文数に対して、
実際に納品された数はとても少なく、
お客様にお届け出来ないケースが沢山あったけど、
今年は、昨年の状況よりは良好とのこと。

シチリア産も、なんとか注文に応えてくれそうで、
昨年にお届けできなかったお客様にも、
今年こそはお届けしたい。

そして、気になるのが
南シエナにあるモンテプルチャーノのメローニ農園。

ここは、2000本のみを生産する小さな作り手。

上記のファンチュッリ農園やシチリアの作り手のように、
各所に畑を構えていないため、
自然災害や害虫の被害を受けると、
全滅の結果となりやすい。

メローニ農園のルチャーノから今日、電話を受けた。

「キヨミ、メッセージをもらっていたけど、
 返信が遅れてごめん。
 結論から言うと、今年はオリーブオイルを提供できない。
 オリーブの実がないんだ。
 開花した後、38度の猛暑が訪れて
 花はほぼ、焼けてしまった。
 ここモンテプルチャーノでは、どこもこんな状況さ。
 シエナはどうだい?」

「やっぱり、そうなのね。
 噂には聞いてたけど、残念だわ。
 シエナは、場所によって、
 実が成っている畑とそうでない畑があるの。
 作り手により、まちまちだわ」

「ここ数年、ミバエの被害で悩まされてきた。
今年はミバエがいない、と喜んでいたら、今年は猛暑だ。
農業は厳しい」

「ルチャーノ、正直に言ってくれて、ありがとう。
 メローニのオリーブオイルを楽しみにしている人、
 本当に沢山いるのよ。
 今年は残念だけど、お客さまは待っていてくれる。
 来年に期待してるわ」

本当は、こんな事を伝えてはいけないんだけど、
お客様がついている作り手の中には、
自分の畑で収穫が出来ないとわかると、
他県や海外からオリーブの実を買い付ける。

その事を伏せ、あたかも自分の畑で収穫した実のように
オリーブオイルを生産する。

もっと酷いケースになると、
オリーブとは関係のない油に、
オリーブらいし香と色を加工して
「エキストラヴァージン オリーブオイル」として販売する。

こんな事情があるが故に、
オリーブオイルの扱いに関しては、
作り手と連絡を取り合いながら
作り手が正直に現状を語ってくれる信頼関係を築き、
日々の彼等の営みから、
品質のよい実が生まれる事を確信する事が私の仕事となる。

今年は残念なのですが、
南トスカーナのメローニ農園は、
オリーブオイルを生み出す事ができません。

シエナのファンチュッリ農園、
そしてシチリアのポリフェーモに関しては、
今、畑に成っている実の成長を見守りたく思います。


|

« 小田ルイさん | トップページ | 大きな声では言えませんが・・・ »