ピュアな気持に触れて育ったワイン、仕入れます♪
Viniveriの会場に入ると、
真っ先にフィリッポに挨拶に行った。
彼とは昨年、この会場で会ったばかりなのに、
随分前から知り合っているような気がする。
このラベルを見てご存知の方もいらっしゃると思いますが、このワイナリーでは、障害を抱えた少年たちが働いてます。
ラベルも1枚1枚が手書き。
この日、フィリッポからこんな話を聞きました。
(以下 K=聖美 F=フィリッポ)
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k:障害を持つ少年は、時には気まぐれかしら?
今日は働きたくない、って言いだしたり・・・
F:基本的には、いい子なんだ。
でも、僕たち同様、ネガティブな部分も抱えてる。
怒り出したり、食事を拒否したり、泣き出したり。
でも、1時間後には笑ってるんだ。
いい部分も持っているから。
大事なのは、
彼等自身が行いを通じて満足を得る事。
自分自身が満ち足りていて、
他人に対しても喜びで接する事。
少年が来たばかりの時は、アグレッシブでも、
畑やラベル描きに向き合っているうちに、
アグレッシブが和らいでいく。
向精神薬の量も減り、気分も落ち着いてくる。
k:障害を持つ少年は、葡萄畑やワインで学ぶの?
F:いいや。
「これを持ってきてくれ」とか
「こういう風に植えて」とか
「絵を描いて」等・・・作業をしてもらう。
自主的に識別したり判断するのは難しい。
例えば「これはメルローだよ」と教えても、
2日も経つとメルローという事を忘れてしまう。
他のワインとの識別が付かないのさ。
でも「この赤ワインは僕が作った」
「このラベルは僕が描いた」という事は
はっきりと覚えているよ。
25人はかなり重度の障害者。
そして10人の重度ではない彼等がラベルを描いたり、
ボトリングをしたり、畑に出たりしている。
体の状態によって、仕事を選ぶんだ。
「明日は会議があるから、家に居ていいよ。休暇だ」
と言うと、僕らだったら喜ぶところだが、
彼等は快く感じない。
「ノー、働きたい、働きたい」と言うんだ。
大事なのは、総合的に良いこと。
普通の人が施設を見学する前には、
少し怖気付いてしまう。
「障害ってどんな事?人と違うんじゃないか?」って。
でも、障害を持つ彼等にとって、
バリア(違い)は無いんだ。
世界で最も偉い人だとか、もっとも貧しい人だとか、
そういう違いがない。
もし君が優しかったら、
彼等は両腕を広げて笑顔で迎える。
外見は関係ないのさ。
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この蔵が手掛けるメルローは、イタリアの中でも評価が高く、私が昨年オーダーした2013年ヴィンテージは蔵では既に完売です。
この秋から2015年ヴィンテージが登場。
ちなみに、2014年は
多雨で葡萄の出来に納得がいかないため、
アグリトゥリズモ等でハウスワインとして使用されるとのこと。
メルローは秋まで待たなければならないのですが、
今年 初リリースのワイン「SARCO 2016」と発泡酒は、
この春から皆様にお届けできそうです。
果実のニュアンスが優しい、飲み口が柔らかなワイン。
ピュアな精神とイタリアの自然が触れ合って出来たワインが、私達の体に「自然さ」を注いでくれる事、願ってます♪
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