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2017年4月22日 (土)

葡萄畑 春の試練

スローライフの国、イタリア。

自然と穏やかに共存する情景を連想しがちだけど、
実は、自然から試練を突きつけられる事も多い。

朝、庭先の畑に行くと、
大家のアルドおじさんの植えたトマトが、
しょんぼりと萎えていた。

「昨夜の寒さで、トマトがこんな始末だ。
 引っこ抜いて、植え替えなきゃならん」

なかには、何とか耐え抜いた茎もあるけど、
それは、プラスチックの容器をかぶせておいたから。

路を挟んだ向こうには、
キャンティの葡萄畑が広がっている。

ついこの前まで、初夏のような気温に触発されて
グングン成長する葡萄はどうなってるんだろう?

畑に入ってみると、若々しい緑の葉は
お日様に向かって光合成をしていたのでホットした。

時々、ワインの作り手からこんなセリフを聞く。

「大変な事があった年だったけど・・・結果的に、
  自分達の想像を超える美味しいワインが出来た事に
 とっても満足してます」

私はイタリアに来てから、大なり小なり、
喜びを沢山、感じ取れるようになった。

それは、イタリアに来てから運気が好転して、
いい事が起こるようになったわけではなく、
むしろ逆で、
日常生活で発生する(ちょっと、シンドイな・・・)
と感じる問題を乗り越える度に湧きあがる爽快感が、
嬉しいだけ。

ワインが作り手の元を離れると、
市場に陳列されたワインは値段やラベル、
ヴィンテージが優良年であったかどうか?
などで評価されがちだ。

以前、日本のインポータの方と仕事をしていた時、

「このヴィンテージについて優れた点、
 プレミアムを受賞した内容等を書いてください」

と言われ、いい事ばかりをレポートしていた。

でも、自然と共存する作り手、
その作り手に共感する事から、
もっとワインが美味しく飲めるような気がして・・・

スローライフの国、イタリアが生み出すワインに
「共感」という工程を加え、
ワインに響きを与えたい。

ここ数日の霜で被害にあった作り手に、
エールを送りたいです。

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