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2017年3月26日 (日)

パトリッツィオの通訳

バールを出たら、空はダークブルーに染まっていた。

「パトリッツィオ、
 さっきまで賑やかだった鳥の声が止んだわね」

「ああ。陽が沈んだからな」

「でも、あの電灯の近くで、
 クロウタドリがまだ鳴いてる」

「きっと、本を読んでいるのさ。赤ずきんちゃんだ」

「あら?
 私には、白雪姫を読んでるように聞こえるけど」

「キヨミ、いっしょだよ。
 物語は皆、‛昔々 あるところに・・・
 って始まるだろ?」

「そうね」

「もしかしたら、カリメロを読んでるかもな!?」

パトリッツィオはよく、散歩の途中で、
犬や猫、鳥の声を通訳してくれる。

彼の通訳に〈なるほど〉耳を傾けるけど、

猫をみかける度に
「人間野郎、あっち行け」と通訳するところをみると

猫語はあまり得意じゃないんだな、と思ってる・・・

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