イタリアと音楽
シエナの街中にあるキージ サラチーニ邸で
コンサートがあった。
元々、この建物は12世紀にマレスコッティ家の
所有だったものが徐々に拡大され、
16世紀にはピッコローミニ家に渡り、
ラッファエッロ様式に装飾され、
1770年からサラチーニ家の所有となった。
芸術の保護者であったグイド キージ サラチーニ伯爵によって、1932年に「アカデミア キジャーナ音楽院」とされ、今日まで至っている。
このような由緒正しい建物で行われた
1400年の伝統音楽の宴。
音楽研究家の女性は
「あまりにも昔の資料なので、
このリズムが当時のものであるかどうか
定かでないのですが・・・」
と注釈を添え、
シンプルな弦楽器を弾きながら歌を奏でた。
なんとも牧歌的な音色が会場に響き渡った。
公演が終わると、拍手に混じって一人の男性が
「サンレモ!これぞイタリアだ」と叫んだ。
すると、他の席から
「サンレモより優れてる!」と声が上がった。
サンレモとは、
イタリアで年に1度行われるポピュラー音楽祭で、
国営放送で生中継される大規模なイベントだ。
イタリアの音楽家というと、
ロッシーニ、プッチーニ、ベルディなどが有名だが、
1300年代のフランチェスコ・ランディ-ニから、
「太陽がいっぱい」や「ゴッドファーザー」などを手掛けた映画音楽の巨匠ニーノ・ロータやモリコーネまで、多種多様な作曲家が存在する。
イタリアに生息する芸術の根は、
想像を遥かに超えて深いです
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