1月23日のグランデミャオ!
仕事が一段落したので、
声楽の先生をしているクララの家に通い始めた。
私は趣味で、歌の伴奏を引き受けている。
この前は、
モーツァルトのBenedictusとExsultate,jubilate、
そしてヴィヴァルディのLaudamus teの楽譜を渡された。
何とかなるかな?と思ったけど、
実際に弾いてみると3声になっていて難しい!
ページ数もかなりある。
繰り返し弾いても一向に慣れず、
指がもつれにイライラしてきた。
「あ~、やめた! 私には荷が重すぎる」
パタッと譜面を閉じて、
丸くなって眠るティティちゃんの隣に寝転んだ。
「これを引き受けるのは止めよう」と言う私と、
「そう簡単に諦めたくない」という私が同居していて、
頭がすっきりしない。
ふと考えた。
「試験じゃあるまいし・・・
趣味で引き受けている伴奏なのよ。
歌い手をサポートできればいいじゃない。
完璧に弾きこなそうとしなくてもいいじゃない!」
鍵盤に向き合い、譜面を追った。
「この和音、
この一音を外すだけで指の運びが滑らかにいく。
一音、消しちゃおっかな?」
作曲家には申し訳ないが、
修正液で、都合の悪い音を消していった。
だいぶ弾きやすい譜面になって、練習が楽しくなった。
そして「グランデ ミャオ!」と唱えた。
最近、パトリッツィオと私の間で、
満足を得た時には「偉大なミャオ!」
という猫語を使っている。
今まで、私は型にはまった考えと行動をしていた。
楽譜があったら、それ通りに弾かねばならない。
それが出来るようになる努力をすべきで、
それが出来ないのは、私の能力が劣っているから・・・
以前はそんな風に考えていた。
でも最近では、型よりも自分の声に耳を傾け、
自分を気遣ってあげるようになった。
変だけど、自分の中に私が二人いる。
少し前まで、もう一人の自分は
型にはまった考えをしていて堅苦しく、
近寄りがたかったけど、
そのもう一人の自分が柔軟になってきたから、
私はもう一人の自分と相談できるようになって、
自分が受け入られる感覚に楽になってきた。
クラシックの楽譜に修正液で細工するなんて・・・
まったく、グランデ ミャオだ!
もしクララに「これじゃ、ダメよ」と言われたら、
「私には、荷が重すぎる」とはっきり言おう!
今度のレッスンは金曜日。
それまで、やるだけ、やってみよう!
グランデ ミャオ!
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