冴えない日の太陽
パトリッツィオに電話をした。
「ボンジョールノ、パトリッツィオ!」
すると彼は、
とっても小さな囁き声で挨拶を返してきた。
「ボンジョールノ、キヨミ」
愛犬のモッラちゃんが彼の腕で寝ているから、
起こさないように小声なのかな?
私は声を潜める必要がないので、
普通の声量で話を続けた。
「元気?」
「あ~、元気さ。
ところで、どうしてキヨミは、
声を潜めているんだい?」
思わず、笑ってしまった。
「声を潜めているのは、あなたでしょ!」
「あ、そっか!」
この日の夕方、彼とレストランに向かった。
高速を走っていると、目の前が雷で光った。
「オ~、見たかい? 神様に写真を撮られたぞ!
いいカップルがいる!って」
今日は雨。
気温もぐっと下がって天気は冴えないけど、
ユーモアに触れたお陰で、温かく過ごせた。
イタリアは、常夏の国ではない。
にも拘わらず、いつも太陽のイメージがあるのは、
温かいユーモアがあちこちに灯っているからなのかな♪
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