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2016年7月22日 (金)

ミケーレの新な旅立ち

ミケーレを見送るミサに行ってきた。

神父様の力強い説教に圧倒された。

「私たちの友ミケーレは
 地上での巡礼を終え、橋を渡り、
 神の世界に移りました。 
 地上では苦しみや悲しみ、困難を纏いましたが、
 これからは、愛の世界で生き続けます。
 皆さんは、死、を
 真っ暗で絶望的な世界だと思ってますか? 
 明るければ、居心地よいと言えるでしょうか?
 考えてみてくださ。
 私達の生活が24時間、明るく照らされていたら、
 私たちは幸福でしょうか?
 死は終わりではありません。 
 変身なのです・・・」}

59歳だったミケーレのお母様はまだ健在で、
ミサの前では涙ぐんでいたけど
神父様の話を聞き入る彼女はの目は、
しっかりと何かを見据えているようだった。

ミサの後、娘のサマンタに挨拶をした。

「昨日はミケーレが手掛けたヴィンサントで
 乾杯したわ。今度、
 ミケーレが写っているビデオや写真を渡すわね」

「ありがとう」

彼女は、穏やかにほほ笑んだ。

誰も泣き崩れる者はいなかった。

これまで恐れていた「死=別れ」が、
このミサでは「見送る会」のように感じられた。

この日の午後、パトリッツィオと一緒に、
彼の悪友を訪れた。

そこには、放射線治療に通い続けるPの姿もあった。

「人生は一度きりなんだ」と言って、
ビールを飲み、タバコを吸っている。

彼がどんな気持ちで暮らしているか、
友達は痛いほどわかるから、
このひと時の幸せを見守るかのように、
あえて誰も、何も言わない。

キャンティの丘に面した庭先で、
ギターに合わせて、皆で歌った。

この時間がとっても愛おしく感じられて涙が出てきた。

黄昏時は、日ごろ見落としてしまうような野の花や草も、
優しく光り輝いている。

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