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2016年7月26日 (火)

私から私へのメッセージ


夏に入ってから、
私のスイッチはオフになったままだった。

何もする気になれない。

〈リラックス期間〉と割り切れればよいのだけど、
何もしない自分に負い目を感じながら
スッキリしない日を過ごしていた。

最近になって、この状況はあえて、
自分があえて仕掛けているような気がしてきた。

私は、習慣的にニンニクや生姜、
エキストラヴァージンオリーブ、
新鮮野菜をたっぷりとった食生活を送っている。

巷の情報によると、医者いらずの健康体なはず。
にもかかわらず、
冬になると咳が止まらないし、疲れも感じやすい。

だから〈これさえ食べれば○○が防げる〉的な情報を
そのまま信じる事はやめ
〈これは体に良くないからダメ〉という監視のストレスを外し、食べたいと思ったものを愉しく食べる事にした。

最近、まだ早すぎる知人の訃報に触れたり、
老人施設で暮らす痴呆の方と触れていると、
〈人生の在り方〉について、
何を考えたらいいのかも分からぬまま、
モヤモヤとした気持ちが漂っていた。

最近感じた事は、
心身の健康の為、食べ物だけではなく、
心の在り方にも栄養も取り入れたい、という事。

これまでの私は、
ネットやメディアで情報に触れては
「これも知らない」「あれもやってない」
こんな自分じゃダメだ、ダメだ・・・と
今の自分に不足している部分を感じていた。

そして、人の為に何かをしなければいけない、
仕事の準備をしなければいけない・・・
と考えながら過ごす自分が常にいて、

自分が今の私に対して
「気持ちいいね!」とのんびり会話する時間が少なかった。

お母さんやパトリッツィオは、
今の私に愛情を注いでくれて、
とっても柔らかく、安心した気持にさせてくれる。

この愛情を、自分が自分に注ぎ始める事も必要だな、
と感じ始めた。

やる事があっても、雨上がりのヒンヤリした空気の中、
散歩をしたくなったら外にでる。

大きな樹の下から上を見上げて、
「なんて立派な樹なんだろう?」と感動する。

風が肌に触れる感触、温度を感じる・・・

「気持ちいいね!」と言う自分の声を感じる。

食事はきちんととっていても、心の状態が楽でないと、
どんなに健康な食材を取り入れていても、
ウォーキングをしていても、健康を蝕ばんでしまうよ、
という事に気付くため、
自分でスイッチオフにしていたような気がする。

コンピュータをひらくと、沢山の情報がある。

向上心として情報を収集するのは楽しい。

でも今のように、
自分で自分のバランスを形成したがっている時には、
あえて、外部からの声をオフにする必要があった。

人付き合いも、食生活も、余暇の過ごし方も、
〈こうしなければならない〉という
義務感、投資から少し解放させようと思った。

すると、責任もって沢山の事は出来ないものだな、
と改めて思った。

イタリア人は、ワインを沢山飲み、タバコを吸い、
赤身の肉や小麦粉が使用されたパスタやピッツァを毎日のように食べる。そして、精製されていない砂糖がふんだんに使用されたクリームパンやアイスクリームをよく食べる。

私の周囲には、80歳を超えるお年寄りでも、
このような食生活を送っている人が多く、
この国の平均寿命は高い。

これまでの私は
〈やるべき事!〉などの項目を設定する癖があって、
目標を書いた紙を壁に貼ったりしてた。

若い頃は、それでよかった。

でも47歳の今、
頑張る事から得る達成感しか認めてくれない、そんな自分と、私自身が友達でいたくながっている自分の声に気付いた。

美味しいからこれを食べる、楽しいからこの人と会う・・・

自分が楽しんでいる声に耳を傾けてリラックスをする。
そして、仕事もこなしていく。

イタリア人は
「開放感」「自然体」という感覚を身に着けた国民。

歳を重ねて、
特に美容を意識しなくても素敵な表情の人が多い。

今の自分の理想の在り方が見え始めてきた、
今日この頃です。

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