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2016年3月31日 (木)

トスカーナに漂う人間臭

フィレンツェのバス ステーションに到着。

シエナ行のバスもやってきた。

人懐っこそうな運転手は、
2つのスーツケースを乗せる手助けをしてくれた。

「この中に、爆弾でも入っているのかい? 
スーツケースにしては、妙に軽いじゃないか?」

「そうかもね! 乗り換えのフランクフルトでは、
 手荷物検査が厳重だったわよ。
  男の人は、靴も脱がされて検査されるの」

「お~、臭いな!」

「ねえ、今までスーツケースがあったから
 トレイを我慢していたの。
  出発まで、後10分あるでしょ? 
 ちょっと行ってくるわね。
 大丈夫よ! 爆弾置いて、逃げるんじゃないから!」

トスカーナの場合、
乗客と運転手、消費者と店員など・・・
お互いの立場の仕切りがはっきりとせず、
公私の間のグレーゾーンがあって、
いつでも会話が生まれる。

さっきも、バールで ミルクがちょこんと乗った
カフェ・マッキアートを頼んだら、

「あ~、ごめんなさい! 
 ミルクがカップからこぼれちゃった」

と言って慌てられたので、

「いいわよ、そんな事」と返事をした。

バスの中では、
後ろのおじさんが携帯で話しをしていて、
彼がサルデーニャ出身だということは
話の内容から分かる。

トスカーナの人は、
どことなくアバウトに生きているイメージもあるが、

バスに高齢者が乗り込んでくると、
さっと数人が腰を上げ席を譲ったり、

私が2つのスーツケースを引きずっていたら、
「お手伝いしましょうか?」と申し出てくれる。

イタリア男性が女性に話しかけるのも、
その場の会話を楽しみたいだけであって
下心があるわけではない。

数日経つと感じなくなるけど、
フィレンツェに降り立った途端、
人懐っこい人間臭を感じた!

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