クリスマスに染まったシエナを散策
久しぶりに街に出ると、
見慣れた街並みが、
まるでお伽の国のように別世界に感じられた。
中世の通りにはクリスマスソングが流れていて、
毎年、サリンヴェーニ広場に姿を現すモミの木には、
サンタクロースに充てた子供たちの願いが
くくりつけられている。
私とパトリッツィオは、
いくつかの願いをのぞき見してしまった。
「サンタクロースのおじさん、
私はとってもお行儀が良かったです」
「サンタクロースのおじさん、
夜が怖くなくなりますように」
子供たちの願いは意外に素朴だ。
「夜が怖いんだったら、
サンタクロースのおじさんは来れないぞ!」
とパトリッツィオ。
ツリーを後にして、私たちは露店で焼き栗を買い、
頬張りながら散策をした。
「美味しいね~♪」
「うん。旨いな。でも、一つ欠点がある。
栗を食べると、ガスが出るんだ。
一粒食べるごとに、一ップリだ!」
「あら、そうなの? 知らなかった。
いいじゃない、二人で共犯なんだから!」
私とパトリッツィオは、
今年もプレゼント交換をしないことを確認しあった。
私たちは、日々の生活の中で
その時に置かれた状況に応じ、
相手に喜んでもらう為、そして自分が幸せを感じる為に、プレゼントをしている。
少なくとも私たちの間では、
クリスマスは相手を想う日であって、
プレゼントが気持を代弁してくれるとは思っていない。
それに、本当に欲しいものは、目に見えない。
だから、お祈りするしかない。
プレゼントの義務感から解放されているせいかな?
街を歩くと、色々な物事が目に飛び込んできて、
今が楽しく感じられる今日この頃です!
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