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2015年9月 4日 (金)

それじゃ~、解散!

「可哀そうに・・・家の匂いを恋しがってるのね」

「室内に帰りたがっているんだ・・・」

「全く、年老いたらポィっと捨てるなんて、許さない」

新聞屋から、乳母車の持ち主家族と、
新聞を脇に挟んだ男が出てきて、
私たちは、猫を見つめながら話を始めた。

「君、猫が好きだったら、是非、連れて帰ってくれ」

「・・・連れて帰りたいんですけど、駄目なんです。
 先住猫の気性が荒くて」

「俺の家には、犬が2匹いるんだ」

新聞屋の隣、切り売りピッツァのお店の前には、
水と餌用の容器が置いてある。

室内飼いされていた猫にしては、
車や通行人を怖がる気配がない。

道路の向こうに車がとまり、
一人の男性がこちらに向かってやってきた。

新聞屋の前で立ち止り、猫に目をやった。

「あ~、猫ちゃん」

「可哀そうだろ? 捨てられたんだ。この猫」

「えっ? 確かこのアパートの上に住む
 グラツィエッラさんの猫だよ」

「グラツィエッラさんって、
 あの、ボランティアをしている彼女かい?」

「そうさ。彼女の猫だよ」

それを聞いた途端、私たちは一同に、
「アッローラ(それじゃ~!)」と安堵の声を発して

「アリベデルチ(さよなら)~」

と声を掛けあって、解散した!

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