イタリアの長距離バスは手ごわい
日本からいらしたMさんの誘いを受け、
ミラノまでご一緒した。
イタリアでは、外の世界に出ない人を、
pantofolaia(スリッパ族)と呼ぶ。
私も典型的なスリッパ族だから、
シエナ以外の街に関しては全くの無知で、
たった1泊二日の間に、
良くも悪くも、驚く事が沢山あった。
シエナからミラノに向かうバスでの出来事。
遠距離バスは、必ずと言ってよいほど定時に現れず、
バスを待つ人同士「来ないですね~、心配だ」と会話が始まるのが いつもの光景。
今回、私がネットで購入したのは、朝の9時発ミラノ行
乗り換えなしのダイレクト便だ。
「時間通り来ませんけど、
そろそろ行きましょうか?」
近くのバールでゆったり珈琲を飲んでから、
バス停に向かった。
バス乗り場には、同じ会社のバスが到着している。
何やら慌てた様子の運転手に
「これ、ミラノ行ですか?」と尋ねると
「そうだ」と返事が返ってきた。
9時まで、あと10分ある。
私が持つチケットを提示すると、
「このチケットのバスは1時間前に出発しちゃったけど
とりあえずこれに乗って!
ボローニャで乗り換えが発生するよ」
と言われ 私達が乗り込むとバスはすぐに走り始めた。
手元のチケットには9時と印刷されているが、
そのバスは無くなっていて、1本前の、
遅れをとっているバスに乗り込んだことになる。
とにかく、このバスに乗れてラッキーだ。
前日も同じような事があり、
Mさんとモンテプルチャーノの街からシエナに戻る際、
バスのチケット売り場で言われた17:40発が存在せず
19:10分のバスで戻ってきた。
「聖美さん、イタリアのバスって
旅行者にはハードルが高すぎますね!」
イタリアの住人にとっても、長距離バスは手ごわい。
でも、今回のシエナ→ミラノまで、
380キロを走行するバスの料金はたったの9ユーロ。
トイレも冷房もあって快適。
乗車客は少なく、リムジンのようだ。
何が起こるか分からないイタリアを渡るコツ、
それは、沢山の予定を詰め込まない事。
~郷に入れば郷に従え~
スローライフの国イタリアでは、
たっぷりと時間に余裕を持たせておけば、
寄り道・回り道をする羽目になっても、
その流れにのって、別の光景を楽しめます!
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