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2015年7月 7日 (火)

今日のちょっとした出来事

朝、ボイラーのテクニカルに電話をした。

「金曜日に来てくれるはずだったのに、
 来てくれませんでした。
 もし、来れないと分かったら、
 電話1本、欲しかったです。
 いつ、来てくれるんですか?」

「あ~、すみません。
 金曜日は、訪問しきれなくって・・・
 今日の17時以降に伺います」

18時を過ぎても、外気は一向に下がらず、
蝉が癇癪を起して、ヒステリックに鳴いている。

(今日も来てくれないかな?)と諦めかけた頃、
テクニカルが来てくれた。

彼らの事務所は、
私が行きつけのバールのすぐ近くにあり、
来てくれた技術者は私をよくバールで見かけるらしい。

彼が作業をしている傍らで、私は話しかけた。

「この時間でも、働き続けるのね。
 残業手当って、付くの?」

「そんなの、付かないよ」 

笑いながらも、汗を吹きながら作業を続けている。

「毎日、夜20時頃に帰宅して、
 奥さんに不平を言われない?」

「奥さん、いないから。ちなみに、彼女もいない!」

「あ~。じゃあ、犬と暮らしているの?」

「ノ-。一人暮らしだよ」

「あ~。一人で暮らしていて、寂しくない?」

「寂しくないよ!友達と一緒にいるから。
 そりゃ、毎日じゃないけどね。
 女友達だったら、もっと嬉しいかな!」

20分ほどで修理は完了。
彼は、次の訪問先に向かうため、
素早く道具をしまい込んで、ドアに向かった。

「幾らかしら?」

「いらないよ」

「え~、そんなのダメよ。わざわざ来てくれて、
 時間を割いてくれたんだもん」

「本当に、大した事してないから、いらないよ」

「困る、困る・・・ちゃんと払う!」

結局、彼は受け取らないで玄関に向かった。

「名前、何ていうの?」

「ステファノ」

「今度、バールであったら、珈琲をおごらせてね!」

ステファノは、ハハッと笑って、去って行った。

私は、直ぐにバールのガブリエーレに電話をした。

「ねえ、テクニカルのステファノって、知ってる?」

「勿論」

「今ね、彼が修理に来てくれたのよ。これくらいの事、
 って言って、ただでやってくれたの。
 私、10ユーロを払うから、
 ステファノが来たら、おごってあげて! 」

「おお!了解!」

今日は、個人所得税で、
4000ユーロ以上を国に徴収された。

でも、こうして、日常生活の中で、
温かな心遣いに触れて、感謝で気持ちが満たされると、
幸せな気分になる。

お金ががっぽりあって、人情に触れられない、
としたら、そっちの方が、厳しいかな・・・・

今日も、ありがたく過ごしました・・・


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