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2015年7月20日 (月)

ミラノのお菓子屋さん巡り

ミラノのスカラ座周辺にある
老舗のお菓子&バール巡りをした。

1936年創業「Sant’Ambroeusサンタンブローズ」の
マロングラッセが美味しい、との情報を基に、
ブランド街を探し歩く。

意外と簡単に店は見つかり、入ってみると、
まるで5星ホテルのロビーに居るような錯覚を受けた。

ミラノの紳士達がバッチリと決めたスーツ姿で
カフェをするシーンは、映画そのものだ。

バリスタの佇まいもエレガントで、私の知る
シエナのバールと同じ業種とは到底 思えない。

流石、プラダが出資しているだけある。

「マロングラッセ、ありますか?」と尋ねると、

「今の季節はありません。10月以降です」と言われ、
季節限定品という条件が、
ここのマロングラッセの価値を更に高めた。

価格を尋ねると、
1粒、3ユーロだったか3.5ユーロだったか、
今では記憶が曖昧になってしまったが、
10粒買うと軽く5,000円を超えてしまう高級品である事は確かだ。

宿泊したホテルの近くに
「Giovanni Galli」というお菓子屋さんがあり、
そこもマロングラッセで知られた店だった。

1911年創業で、店内には、フランスやドイツなど、
世界のコンクールで金賞を獲得した賞状が飾られている。

店内に入ると「マロングラッセをお求めでしょ?」
と女性店員から声がかかった。

量り売りなので、1粒の金額は定まっていないけど、
平均すると、1粒2ユーロ。

ブランド街から少し外れた所にあり、
先ほどの「サンタンブローズ」に比べると嬉しい価格。

お次は、1817年創業のCOVA。

先ほどの「サンタンブローズ」の並びにあり、
日本にも支店があるけど
折角なので、ミラネーゼらしく
カウンターで珈琲とチョコレートをいただいた。

ここもまた、5つ星ホテルの風格が漂っていて、
バリスタに「全く~、今日も暑いわね!」
なんて気楽に声など掛けられない。

このまま、ホテルに戻ろうかな?と思ったけど、
ついでにスカラ座の脇にある
「VERDI」というバールにも行ってみた。

店構えを見た途端、私のアンテナにスイッチが入る!

名前は、イタリアを代表する作曲家のベルディ。

入口には安っぽいオレンジ色で
パスタ&ピッツァと書いてあり、店内には
ターバンを巻いたインド人客がテーブルに着いていた。

深みある赤いソファー、
テーブルに乗っている作曲家の像、
額縁にある過去の偉大な音楽家たち・・・
全てがレトロだ。

店内には、マダムと呼ぶには程遠いオバチャンがいて
気付くと、いつもの調子で、気楽に話しかけていた。

「このお店、いつからあるんですか?」

「ん~、私は35年勤めてるのよ。その前からあったわ」

棚には、1900年前後に印刷されたオペラの台詞本が積まれていて、5ユーロ~8ユーロで売られている。

「こんなに古い本、どこから来たんですか?」

「コレクションをしている人達のものだったのよ。
 今日まで、生き延びている」

この台詞、
以前、クララの家でランチをした時にも耳に残った。

クララは陶器が大好きで、
マイセンなどの昔の作品も持っている。

「これ、今まで、生き延びてくれてるのよ!」

その言葉の聞き心地が良くて、

(古いものを大事に愛でるって、美しいな)
と刺激を受けたのが2週間ほど前。

このオバチャンも、同じ表現を口にした。

「昨日、オセロのオペラを観たから、
 その本を探したいんです」

「オセロだったら、これよ!」

「これは、ヴェルディのオセロ。
 私が観たのは、ロッシーニのオセロなんです」

「あら、ロッシーニもオセロっていう作品書いたの? 
 ヴェルディは、パクったってこと?」

「いや~、その辺はよく分からないんですけど・・・」

結局、ロッシーニのオセロは見つからず、
「椿姫」「リゴレット」「セヴィリアの理髪師」の台詞本を買った。

あるページには、
1890年4月26日と鉛筆でメモが書かれている。

普段、あまり買いものをしないけど、この日は、
心が小躍りするようなショッピングを楽しみました!

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