パスタと、村の子供たち
7月~8月にはヴァカンスでシエナを離れる人が多いせいか、5月~6月には、小さな村単位で 食にまつわる祭りが開催される。
昨日は、パスタ祭りに行った。
9ユーロを支払うと、
18種類のパスタのうち、3種類が選べる。
20周年を迎えるだけあって、
現場の仕切りもテキパキしていた。
私たちのテーブルを担当してくれたのは、
小学生の少年だった。
他にも沢山の小学生が働いていて、
彼らは自分達の仕事をよく理解し、
出来あがってくるパスタを待ち受けては、
テーブルまで急ぎ足でお皿を運ぶ。
一つのテーブルに、沢山のお皿を同時に運ばなければならない時は、小学生同士で声をかけあって、手際良く運んでいる。
祭りの関係者は、小学生のウエイターに対して、
大人同様に指図をし、また、テーブル席の御客は、
「子供なのに、偉いな~!」と褒める事もなく、
子供たちもの眼差しも、真剣だった。
22時になると、バンドの演奏が始まり、
19時半から働く小学生達は、
仕事から開放され、演奏を聴いている。
22時を過ぎているけど、バンドの前では、
2歳くらいの子供たちが走り回り、大人たちは、
子供に目をやりながらも、
大人同士の会話に没頭している。
子供たちを過剰に守る事なく、
過剰に褒める事もない光景。
子供たちが、大人の世界に食い付いている姿。
いつもだったら、お喋りしながらパスタを食べるけど、
この日は、小学生スタッフと、彼らを見守る青年スタッフ達の動き、会場のオーガナイズの観察が面白くて、キョロキョロしながらパスタを頬張った。
パトリッツィオは、そんな私を眺めながら、
「昔、この祭りに一度来たけど、
パスタの味が良くなってる!
きっと、一緒に食べている人によるんだな!」
なんて言ってくれる。
こんな粋な台詞、何処で覚えたんだろう?
パスタにパルミジャーノチーズをふりかけるように、彼の一言は、ぐっと時間を美味しくしてくれる。
小さな村社会で、
子供たちが逞しく成長する秘訣を垣間見れた
貴重な経験でした。
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