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2015年5月14日 (木)

トスカーナのハイジ

家族経営の小さなチーズ工房を訪ねた。

農園の生い立ちやチーズ作りの工程を説明してくれるのは、ジュリアちゃん。

彼女の輝く瞳には、
この農園に漂う純粋な空気が映し出されている。

「あ、豚が逃げたわ!」

チーズ作りの説明を聞いている途中、
ジュリアちゃんのお母さんが叫んだ。

「えっ? 豚?」

「そう。よく柵から逃げるのよ。
 最初は父さんが追いかけていたけど、
 今では放っておくの。
 そのうち帰ってくることが分かってるから!」

と言って、笑い合っている。

豚がのんきに歩いている光景は、
何ともメルヘンチックだ。

ここで飼われている500頭の羊はサルデーニャ産。

この種は病気になりにくく、寒さにも強いので、
冬も放牧していられる。

「お~い! 乳搾りを始めるぞ!」

作業服を着た父さんがやってきて、皆に声をかける。

乳搾りは、朝と夕の2回。

羊たちが餌を食べている間に、乳が搾られるが、
乳の量は季節によっても異なるし、
羊の年齢によってもまちまちだ。

週に2度のリコッタチーズ作りの日は、
朝の4時から乳を搾る。

別の部屋には、赤ちゃんを産んだばかりの羊の部屋があって、そこには、クリスマス前に生まれた番犬のゴリアちゃんが一緒に生活をしている。

最初の1年は羊と共に生活し、
来年から、番犬としての訓練を受けることになる。

昨年は、真昼間だというのに、
周囲に潜むオオカミに、5頭の羊が殺されてしまった。

今のゴリアちゃんはあまりの可愛らしく、
オオカミを追い払う逞しさを想像するのは難しいが、
来年はお産もする。

訪問した僅かな時間、私は、まるで、
ハイジの世界に入り込んだような錯覚に陥った。

こんなに純粋な笑顔で家族が一丸となって働いている、
そんな光景がまだあるんだ・・・

すっかり彼らの生きざまのファンになってしまった。

彼が作るチーズを通じて、時々、
純粋なビタミンを体に取り入れよう!

と思った今日この頃です。

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