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2015年1月 3日 (土)

ずっと身近な事

また薔薇の花が増えた。

大晦日のシエナは、どのレストランも満席で賑わって
いたけど、カンポ広場に近い移民が経営するこのバールはガラガラで、私たちは唯一の客となった。

ワインを飲んでいたら、褐色の肌をした少年が
薔薇の花束を抱えて店内に入って来て、
私達のテーブルで停まった。

パトリッツィオは黙って少年に10ユーロを差し出すと、
少年は薔薇の花を私に置き、
沢山の小銭でお釣りを揃えた。

「枯れ始めてるな。持ち歩かなくてもいいんだよ。
 邪魔だったら、そこらに置いてけ」

パトリッツィオはそう言うけど、私にとっては、
綺麗にラッピングされた花束や高級な胡蝶蘭より
この薔薇が嬉しい。

この時、外の温度はマイナス12度。

私たちより遥かに薄着の少年は、
店を渡り歩いて生活費を得ようとしている。

ちなみに同日、
私たちの税金で給料を得ているローマの交通警官の
85%は病欠をした。

「ペストより深刻だな!」とパトリッツィオは笑った。

地位があり話術に長けた人の思想を聞くと、
偉いな~と思うけど、
川に行くとゴミを拾って帰ったり、
移民からモノを買ったり、
そういう事をさり気なくやっているパトリッツィオも
負けずに偉い。

10日ほど前、イタリアのテレビで、
富士山のゴミを拾う日本人少年が紹介されたらしい。

パトリッツィオはその少年の事を語る最中、
感動にのまれて一瞬、涙を拭いた。

私も何だか影響を受け、
元旦の朝に ごみ袋を持って家の近所を歩いて回った。

ゲームセンターの ぬいぐるみを釣るマシーンのように、
棒でつまんだ空缶やタバコの箱がゴミ袋に入ると、
獲得できたようで面白い!

大袈裟に構えたり考えを練ったりせず、
「単純で小さな事に気付いたら実行!」
を重ねた方が健全かな?

と思う今日この頃です。

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