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2014年8月30日 (土)

子供に戻れる夏

「民よ、進め! 約束の地に導こう!」

杖代わりの枝を手にした途端、
パトリッツィオはモーセに豹変した。

「民よ、約束の地はもうすぐだ!
 見よ、ヨルダン河だ!」

車を止めてから、川岸までは獣道。

愛犬のモーラちゃんは、野生動物の臭いを嗅ぎながら、
狂ったように走りまわり、

私も、右・左に重心を傾け、
アスレチックを楽みながら進んだ。

川岸に到着すると、マットを広げ、
パトリッツィオは新聞を読み始め、
私はモッラちゃんと走りまわった。

「キヨミ~、
 こんなに小さなトカゲが、新聞を読みに来たぞ~!」

「あ~、彼は小さいけど、教授よ~!」

この日、3冊の本を持ってきたけど、
今日も無駄だった。

水流や木漏れ日、
様々な形をした岩や石を眺めている方が面白い。

途中のガソリンスタンドで買ったサンドイッチと
家から持ってきたワインで昼食をとった。

「キヨミ、このレストランは3つ星だな!」

「ノー、ノー、3つ太陽よ!」

蝉は姿を消していて、自然は秋へと移り変わっていた。

今年、あと何回 戻ってこれるかな?

年を重ねていっても、
簡単に子供に戻れる事を知った、自由な夏だった。

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