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2014年8月

2014年8月31日 (日)

地元のお祭り

夏の終わり、
あちこちの小さな町では地元人のための祭りがある。

シエナから南東30キロに位置するアッシャーノの町に行き、祭りのプログラムの一環である「町の歴史ツアー」に参加した。

集合場所には、
乳母車をひく若いお母さんや子供たち、
そしてお年寄まで、あらゆる層の町民が集い、
犬は白い靴を履いてやってきた。

ガイドを務めるのは、三人の若い女性。

嬉しさと照れが入り混じった彼女たちの口調に、
空気が和らいだ。

町をそぞろ歩き、
一見、普通に見える建物の前で立ち止まる。

「ここは、1213年に・・・」とガイドが説明をすると、

「知らなかった」と呟きが漏れたり、
腕組して頷ずく住民がいたり、
時に、貫禄あるオバチャンが、
「その説は違うわよ!本当はね~」と意見を述べ、
それに触発され、他のオバチャンも見解を挿入し、
飽きて子供たちが愚図り始めると、「シーッ!」と
周囲の大人達が間髪いれずに叱責を飛ばす。

博物館の前に立ち止まると、
ガイドは作品の写真をかざしながら、
内部にある作品の説明をした。

こうやって町民は子供の頃から、自分の土地を知っていくのね

日本に居た頃、企画事務所で働いていた事もあるから、
「町の活性化」とか「町づくり」のテーマに対しては、
「それぞれの層に分かりやすく、
 いかに楽しく関心を持ってもらおうか?」と
仕掛けや仕組など考えたくなる。

でも・・・
何も、凝った構成を考えなくても、成りたっている!

「私達の説明が分からなかったら、
 その都度、遠慮なく質問してください!
 そして、違った見解をおもちの方、
 ドシドシご意見くださいね!
 そうやって私達も学んでいきますから!」

そう言いながらガイドを進める3人の若い女性たち。

過疎化が進む中、若い人が筆頭となって、
予算をかけずにシンプルに活動する姿に、
色々と教えられました!


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2014年8月30日 (土)

お母さんと小太郎ちゃん

今日、お母さんから、こんなメールを受け取った

 ※小太郎ちゃんとは、散歩の途中で見かける猫です

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テレビ番組で、
「岩合光昭のねこ歩き」をよく見ています。

全世界の猫ちゃんの写真を撮る中で、
よくネコちゃんの目やにをとっていて、これをとらないと見えなくなるよと言っている場面がよくあります。

今日も小太郎ちゃんが、
パンダみたいな顔で寝そべっていたので、
手で、眉毛にまでこびりついている、
黒くなった目やにとりました。

気持ちよさそうに終始、喉をゴロゴロ言わせ、
しっぽをふって、
“気持ちいいじゃん”と言っておりました。

最初、小太郎ちゃんの顔は目の下が黒い模様だとばっかり思っていたけど、さにあらん。

目やにの蓄積でした。

彼が、庭に出ているときは美容師をしてやります。

なかなかの男前になりました。

ティティちゃんにはおよばないけど。

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子供に戻れる夏

「民よ、進め! 約束の地に導こう!」

杖代わりの枝を手にした途端、
パトリッツィオはモーセに豹変した。

「民よ、約束の地はもうすぐだ!
 見よ、ヨルダン河だ!」

車を止めてから、川岸までは獣道。

愛犬のモーラちゃんは、野生動物の臭いを嗅ぎながら、
狂ったように走りまわり、

私も、右・左に重心を傾け、
アスレチックを楽みながら進んだ。

川岸に到着すると、マットを広げ、
パトリッツィオは新聞を読み始め、
私はモッラちゃんと走りまわった。

「キヨミ~、
 こんなに小さなトカゲが、新聞を読みに来たぞ~!」

「あ~、彼は小さいけど、教授よ~!」

この日、3冊の本を持ってきたけど、
今日も無駄だった。

水流や木漏れ日、
様々な形をした岩や石を眺めている方が面白い。

途中のガソリンスタンドで買ったサンドイッチと
家から持ってきたワインで昼食をとった。

「キヨミ、このレストランは3つ星だな!」

「ノー、ノー、3つ太陽よ!」

蝉は姿を消していて、自然は秋へと移り変わっていた。

今年、あと何回 戻ってこれるかな?

年を重ねていっても、
簡単に子供に戻れる事を知った、自由な夏だった。

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2014年8月28日 (木)

今がスペシャル

行きつけのバールがバカンスを終え、
やっと開いてくれた。

このバールには、
近所の人が入れ替わり立ち代わりにやってきて、
珈琲にかこつけては世間話をし、
「じゃあ、またね」と去っていく。

私とパトリッツィオはテーブルに腰掛け、
パニーノとワインを注文し、私は、今日の出来事や
明日にやろうとしている事などをお喋りし続けるけど、
彼は私の話を聞いてたり、聞いてなかったりで、
新聞や他の客の話題にポーンと飛び乗ったりする。

このバールを経営するのは、
私と同い年のエルガとガブリエーレ。

彼らは来月に結婚する。

新聞に目を通していたパトリッツイオは顔をあげ、
「おいおい、新聞には載らないでくれよ!」と言った。

今日の新聞にも、
旦那が妻を殺害した事件が掲載されていた。

グラスワインを飲み干した頃、
電動車いすに乗った男性が訪れ、
私たちにも「ボンジョ~ルノ」と挨拶をした。

「聞いたよ。君たちは、9月に結婚するんだね。
 実は、僕は明日、結婚するんだ!」

エルガはカウンターから出て、
店の入り口で男性と話をしている。

彼が立ち去ると、エルガは私たちに
「彼、SLAなのよ。長く生きられない」と言った。

SLAとは、筋萎縮性側索硬化症のことで、
筋肉を失い、終いには喋ることも出来ず死に至る難病。

普通、結婚というと、
若い夫婦が将来を築いていくイメージがあるけど、
彼の場合は、全てを受け止めた奥様と、
今、一瞬一瞬を、大事に感じながら生きていく。

私は思わず泣いてしまい、パトリッツィオもエルガも、
それぞれ、言葉にならない感情を味わっていた。

パトリッツィオの車の中では、
7か月になる愛犬のモッラちゃんが待っている。

店を出て、私たちは雑木林で車を止め、
モッラちゃんを走らせた。

松ぼっくりを投げると、
モッラちゃんが凄い勢いで追いかけ、
それを加えて戻ってくる。

土の湿った匂い、松ぼっくりの触感、
ちょっと走って疲れる感覚...

「今」が、すっごくスペシャルに思えた。

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2014年8月27日 (水)

農家泣かせの2014年

今年は、無農薬農家 泣かせの年だ。

冷夏で雨が多い。

もし化学薬品を葡萄やオリーブの根から吸収させたら、
虫が寄りつかず、見栄のよい成果物が成るかもしれないけど、無農薬農家はそれが出来ない。

ワインの場合、無農薬農法として、
葉に硫黄と銅を散布して良いことになってる。

散布により、病原菌からプロテクトされるはずだけど、
雨が降る度に液が洗い流されてしまうので、
また作業を繰り返さなければならない。

オリーブの場合、
無農薬農法では硫黄は認められず、銅のみを散布する。

両者とも、自然農薬の量に制限があるので、
病原菌を完全に防ぐことは出来ない。

オリーブ農園では、地面に近い枝が湿気を感じ、
カビが生え、虫がついているものもあった。

そうなるとオリーブの実が成らないので、
枝を切り取る必要がある。

化学薬品を使用していないから小動物にも優しい環境で、それは人間の体に害が無いことを感じ取れる。

先日、キャンティクラッシコのワインの作り手を訪れた時、1992年ヴィンテージのワインを開けてくれた。

20年以上経つというのに、
この果実味のポテンシャルに感動した。

後になってキャンティクラッシコの
ヴィンテージチャートを見ると、1992年には1つ★が下され “9月25日からの雨で、落胆の年”と記録されている。

5★を最高とする中で、最低の評価だ。

このワイナリーは、
2年前から無農薬にシフトをしたので、
1992年の段階では有機の葡萄ではないけど、
キャンティクラッシコ協会が掲げる法律に沿って、
出来る限りの尽力を尽くした成果が伺える。

昨年も多雨で、オリーブオイルは伝統の味に比べると、
苦みと辛みのパンチに欠けた出来となり、
地元の人にとっては物足りなさが感じられたが、
苦味に慣れない日本の皆様からは、
「バランスが良くて美味しいですね!」
と嬉しい感想をいただけた。

そして2014年。

無農薬の作り手は、
自然環境に応じたメンテナンスに追われている。

美味しく仕上がってくれたら、
作り手と、そして商品を手にした皆と、
喜びを分かち合いたい!


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2014年8月26日 (火)

小さくて大きな、作り手さん!

オリーブ農園を訪れ、皆と昼食をとった。

8歳のレオポルド君が、

「このオリーブオイルには、1滴の1/4の、
 そのまた1/4の1/4の...
 着色料も含まれていないんだよ!」

と威勢良く言うと、

「こいつは、立派なオウムだよ!」

とエンリコが誇らしげに笑った。

大人に囲まれて育つ子供は、大人の話題に耳を傾け、
ゆっくりと話題について来る。

「お婆ちゃん、だったら、どこから色が来るの?」

「太陽からですよ」

「ふ~ん・・・」

レオポルド君は既に、
オリーブオイルのラベル貼を手伝っている。

今、彼が夢中になっているのは
大きな樫の木の上に家を建てること。

木を囲んで4か所に深い穴を掘り、柱を挿し込み、
足場組までは完成している。

冒険心に心を躍らせる彼は、トムソーヤそのものだ。

丁度、日本の御客様からオリーブオイルの注文が入っていたので、瓶に、作り手のサインとして、レオポルド君と、パパのルイージにサインを入れてもらった。

ファンチュッリ農園は、
レオポルド君がいるから次世代も大丈夫!

農園に通っているうちに、
私はこの人達の遠い親戚のような気分になってきた。

オリーブオイルでも、ワインでも、何でもそうだけど、原料や素材が、人の手を介入して商品になっていく。

そこに携わる人や環境を知ると、
商品に込められた温もりを感じ取ることが出来る。

(作り手さんや農作物の育つ自然環境を、
 どうやったら皆様に、
 もっとダイレクトに伝えることできるんだろう?)

イタリアにて、もう10年以上、ワインやオリーブオイルを日本の皆様に販売しているけど、まだまだ、模索中の今日この頃です。

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2014年8月23日 (土)

フィレンツェ発Greve inChiantiへ!

美味しい仲間達と小旅行

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2014年8月20日 (水)

海風のように、塩辛くていい刺激

朝の8時。

いつもは観光客で賑わうカンポ広場は、
祭り後の臨時椅子の片づけや清掃の人で賑わっていた。

そして、シエナのレストランで修業をする3人の日本人留学生は、時間通りにやってきた。

最年少は25歳のYちゃん。

前日、厨房の仕事を終えて帰宅したのは深夜1時過ぎ。

他の二人も、夜遅くまで働いたが、
彼らはそのまま眠るのではなく、
翌日に訪れるワイナリーについての勉強をするため、
3時過ぎまで起きていたらしい。

彼らは、ゾンビのような表情でやってきた。

私は、用意してきたおにぎりとお茶を皆に配り、
食べ終わる頃、パトリッツィオが車で登場した。

ティレニア海の近くに位置する無農薬のワイナリーを訪れ、オーナー、フランチェスカさんの話に、皆、熱心に耳を傾けた。

謙虚な言葉を使うけど、
彼女の語りには、信念と自信と落ち着きがある。

そんな彼女が、実はまだ32歳で、
25歳の時にこの農園のオーナーになったことを知り、
皆は驚いた。

何も分からない状況から、自分で切り開いてきた部分が多いことが話の節々に感じられ、私は、大きな刺激に飲みこまれた。

ワイナリーで、たっぷりとお話を伺った後、
近くの海に行き、ボーっと過ごした。

波の動きが激しくて、
浜辺には海風の声だけが轟いている。

私も30歳の頃、エノテカで働いていて
唯一の休日をワイナリーの訪問にあてていた。

地図上では歩けると思っていたワイナリーなのに、
バス亭からの距離は途方もなく遠く、
走行するパトカーに、ヒッチハイクをして断られたこともある。

最近、目的を持ってイタリアに来た
若い留学生と接する機会が多い。

彼らはイタリアの事情、そして自分の将来が見えず、
不安と疲労、感動の狭間で生きている。

そんな彼らの様子は、この海のように、
ウネリがあって激しそうだけど、
どこか輝いていて清々しい。

男性留学生の二人は、
シエナに到着するとそのまま仕事に向かった。

頑張っている若い留学生から、
いい刺激風を受ける今日この頃です!

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2014年8月17日 (日)

モデナのバルサミコ酢の作り手さんを訪問

皆様、今日は!

「春の味覚セット」にも入っていたバルサミコ酢。

こちらの作り手さんを訪ねた様子をビデオにてご紹介です!


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2014年8月15日 (金)

不格好だけど、美味しい味

「キヨミ~、居るの~?」

隣に住むロベルトが窓ガラスを叩いている。

「さっきアルドがノックした時、キヨミは不在だったね。はい、これ。アルドから」

アルドとは、私のアパートの大家さん。

じっとしている事が出来ない性分で、
家電の店を経営しながら、暇が出来ると
草刈りをしたり、門のペンキを塗ったり、
猟犬の面倒をみたりしている。

家庭菜園も、アルドの生活の一部。

奥さんのアンナは、
「あんなに働く男、そういないわ!」と誇らしげで、
彼女のかかあ天下ぶりからして、その昔、
アルドは色々な女にも忙しく尽くしていた様子が想像できる。

ロベルトは私に、
大きくて真っ赤なトマトが乗った皿を差し出した。

「ワ~オ! Grazie!」

翌朝、外にでるとアルドがいた。

「アルド~、ありがとう!
 あのトマト、美味しいわね~
 まるでスイカみたいに甘いわ!」

すると、普段から威勢の良いアルドの声は更に弾んだ。

「そうだろ! 
 熟れるまで、そこの畑になってたんだ。
 青い状態で出荷され、店に並ぶのとは違うんだぞ!
 孫のエリーザなんて、
 “お爺ちゃん、トマトが食べたい!”
 ってはしゃいでるよ!」

私は、幼少の頃を思い出した。

田舎を訪れると、
手ぬぐいを首にひっかけたお爺ちゃんは

「きび、食べなせ!」と言って、
茹立てのとうもろこしをザルに乗せて出してくれた。

歯並びの悪く、肉厚のトウモロコシに塩をふりかけながら、私達兄弟は、はしゃいで食べた。

あの頃のお爺ちゃんのトウモロコシにも、
アルドがくれる果物やトマトにも、
時々、虫が見つかる。

この前、キアナ牛の牧場で友達とバーベキューをしていたら、農園のオーナー、マリオがテーブルにトマトを置いた。

「今、もいだトマトだよ!」

友達H子は、丸ごと出されたトマトを手で掴むと、
「トマトは、こうやって食べんのよ~!」と言って、
ワイルドにかぶりついた。

私は「あ~ぁ、虫がいたら、どうすんの!?」
と言って笑った。

ここはキアナ牛が美味し隠れ家なのに、
トマトの美味しさにも軍配があがった。

食材への拘りは、
嬉しい事に、自然環境保護にも連携している。

〈作り手が見える野菜は安心〉とか、
〈無農薬は体に良い〉とか言われているけど

私の場合は、そういうロジカルな観点以上に、

《あの時の味が、一緒に過ごした人や、
 楽しかった普段着の光景を思い出させてくれるから》

という理由で親しんでいるような気がする。

ちょっと不格好な野菜達を美味しくいただいてます!

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2014年8月 5日 (火)

モデナ

友達とモデナを訪れた。

北イタリア(中部イタリア寄り)にある
この小さな街から、バルサミコ酢、弱発砲性赤ワイン
ランブルスコやパルミジャーノ、
そしてフェラーリが誕生する。

街中にあるレストラン「Da Danillo」で昼食をとった。

前菜の盛合せをオーダーすると、
ニョッコフリットと呼ばれる揚げパンと、
サラミやハム、チーズが運ばれてきた。

「ニョッコフリットは、手で食べるんです。
 ナイフで半分に切ったりしないで下さいね。
 上にハムやサラミ、チーズを乗せて、
  パンを半分に折り曲げ、
 サンドイッチのようにして頬張ってください!」

カメリエーレの説明に、心が小躍りした!

(そうなのねっ!手づかみが、地元流なのね!)

私は事前に、
いくつかのランブルスコの作り手を調べていた。

「○○という作り手のランブルスコ、ありますか?」

するとカメリエーレは、

「数年前に倒産しました。
 確かにガイドで評価されているけど・・
 僕としてのお勧めは、このワインです・・・」

カメリエーレのお勧めのランブルスコは、とても美味しく、脂身の甘みを帯びたハム類と、仄かな甘いニュアンスがある微発泡の冷えた赤の相性は抜群に良い。

ランブルスコはあっと言う間に空になり、
次に、サンジョヴェーゼロマーニャ(赤)を注文した。

トスカーナのサンジョヴェーゼに比べると、
肩ひじ張らず、気楽に飲める美味しいタイプ。

でも、失敗だと気付いた。

私達は、屋外テーブルに着き、
気温が上昇して暑さを感じはじめていた。

そんな中、常温で管理されている赤ワインは
直ぐに外気の温度に達し、
アルコールがボワ~ンと感じる締りのない風味になった。

冷房の効いた室内、もしくは
夜風が涼しく感じられるディナーだったら、
このワインをもっと美味しくいただける。

モデナの郷土料理は、
手打ちパスタや豚肉を使った料理が有名で、
あのパバロッティーの故郷でもある。

彼が、ここの郷土料理を
満悦の笑みを浮かべて頬張る姿が容易に想像できる。

この日の料理はどれも美味しく、
中でも、トルテッリーニのブロードは、
驚くほどに繊細で上品で優しい味だった!


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