無農薬ワインに、ますます惚れてきた!
キャンティ地方にある2件の無農薬ワイナリーを訪れた。
あ~、何から書こう!
興奮した気持ちを楽にしたいから、
印象に残ったことをから書き始めてしまおう!
農園の畑を案内してくれた農学士のジョルジョさんに、
「あなたは、億万長者になりたいですか?」
と尋ねてみた。
彼は穏やかに、そして真直ぐな口調で
「全く関心ないよ」と答えた。
「この仕事で、
誇りを持って生活が出来ていければいいんだ。
農園を大きくしようとも思わない。
私達は、家族経営の小さな作り手だ。
今の畑の規模(4.6ヘクタール)は
自分達に適している。
もし、20ヘクタールを所有していたら無理さ・・・」
続けて、無農薬についての概念を尋ねてみた。
「二酸化硫黄を使用しない=オーガニックではないよ。
葡萄畑や醸造の過程だけではなく、
それ以外の自然や労働者・・・
全てにおいても尊重しながら、
住み心地の良い環境を生きようと実践する。
だから、ビジネスにも限界があるさ」
ジョルジョさんはこの日、今、畑で起こっている病気の事なども、正直に語ってくれた。
大手のワイナリーを訪問すると、
「今年は最高のコンディションです!」と
案内係のイタリア人からスマートな答えが返ってくる。
そうしないと、売上に汚点がついてしまうから。
でも、ジョルジョさん始め、
オーガニックの作り手を訪問すると、決まって、
今、畑で起きている問題の話題が登場する。
そこには、ワインを少しでも売って儲けなければ、
というお金のファクターはなく、
自然環境、そして自分達が生み出すワインについて理解して欲しい、というメッセージを感じとれる。
今、彼らが直面している困難と、
それに取り組む姿勢を語れる背景に、
彼らが持つこれまでの経験と科学的な知識からして、
何とか乗り越えられる、という自信が感じとれる。
そして、それを見守ることの出来る消費者は、
「客:消費者」というよりも、
信頼関係で結ばれたパートナーとなる。
ワインを求める人はまちまちで、
高級ワインやプレミアムワインを通じて、
ステイタスの醍醐味を楽しむ人もいる。
名醸ワインは、
貴族の家系である蔵が城でワインを作るなど、
浪漫を感じさせてくれる。
それに比べて、小さな家族経営の無農薬ワインは、
「リスペクト」という
価値観を共有する同士を感じさせてくれる。
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