午前中、友達とシエナの街で過ごした。
カンポ広場のバールではシエナ人が優雅に新聞を読み、
路地裏の酒場では、
朝から年金生活者達が一杯ひっかけている。
一人のおじちゃんが、カウンターで小銭を並べている。
「娘さんの分も、俺が払う。幾らだい?」
店の主人は、「1ユーロ」と答えた。
こういう時は、遠慮しないで
わ~、ありがとうございます!」と答えるのがよい。
「日本でも、年金生活者が娘さんに御馳走するかい?」
おじちゃんは得意げにそう言って、店を出た。
シエナの街には、大人達の居場所が沢山ある。
寛ぐ彼らを見ていると、
街全体が「シエナ」という一つの家に見えてくる。



