フランチェスカちゃん
ある日、フランチェスカちゃんは狩猟の男に捕まり、
それから、彼の農園で暮らすようになった。
男の名前はロビン。
1940年代のアメリカ映画、ロビンフッドに出てくる
俳優に似ていることから、皆にそう呼ばれている。
ある日ロビンは狩猟仲間に携帯からメッセージを送った。
「フランチェスカが逃げた・・・寂しい・・・」
仲間で探し回ったけど見つからず、落胆していたけど、
翌日、彼女は門の前にひょっこり戻ってきた。
狩猟仲間達は、猪が賢いことを悟った。
4週間前、
フランチェスカちゃんは3頭の瓜坊を出産した。
ロビンは、狩猟仲間にメッセージを送った。
「フランチェスカに赤ん坊が生まれた!
子供は、俺似で、とっても可愛いんだ!」
フランチェスカちゃんは、
飼い猫のようにロビンに懐いている。
フランチェスカちゃんがご飯を食べている時、
チョロチョロ~、っとネズミが走り抜けた。
「ネズミだ!」というと、ロビンは、
「ああ、5匹」と答えた。
フランチェスカちゃんとその子供たちは、
ロビンの家族として暮らしているのであって、
決して、姿を変えて卓上に登場することはない。
「フランチェスカ~」と呼ぶと、
彼女は寄ってきて、柵から鼻を突きだした。
大阪から来たKちゃんと私は、
土まみれで濡れてる鼻の穴を撫でてながら
「触っちゃった~!」とはしゃいだ。
狩猟男って、
動物を見たら射るものかと思っていたけど、
ちょっと変わった、ほのぼのした光景だった。
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