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2014年4月11日 (金)

ある中国のインポータ―

ある作り手のブースで、
オーナーに話を伺いながらテイスティングをした。

終盤に差し掛かったところで、
一人のアジア人男性に気付いたので、

「あっ、あの人、日本人男性かしら?
 サンプルワインをいくつか持っているということは、
 インポーターね。日本人だったら通訳するわ!」

と申し出た。

対応していた女性スタッフに聞くと、彼は日本人ということなので私の隣に座ってもらった。

「今日は~」

すると彼は、「ニイハオ!」と笑顔で答えた。

英語表記で書かれた名刺には、
VITA TRADING会社のポール氏と書かかれている。

その後、私たちは英語で会話をした。

「中国はいまだにフランスワインの勢いが強いんですか?」

「はい。フランスワインのブランド信仰は強いですけど、
 ゆっくりと下降してきてますね。あえて私は、
 イタリアワインを専門に手掛けているんです」

「イタリアワインだけ、というのも、
 勇気がありますね!」

「ええ。フランスワインは品種が限られる。 
 それに比べて、イタリアは品種の宝庫だ! 

 私は5つのインポーターと一緒にやってきました。
 気に入ったワインを見つけた時、
‘わが社では、300ケースオーダーします' 
‘うちは、500ケース’
‘私のところは、200ケース’・・・・
 とまとめられて、購入しやすくなるんですよ!」

「なるほど! その場合、それぞれのインポータの方は、同じ価格で販売するんですか?」

「いいえ。皆、バラバラですよ」

「え~!価格競争、生まれませんか? 
 日本の場合は、
 一つのワイナリーを複数のインポータの方が扱う、
 ということを避ける傾向がありますけどね・・・」

「これは、私のやり方なんです。
 皆、情報を公開して、シェアしながらやってますよ」

以前、私が関わっていた中国のインポータは、
あるワイナリーから年間10万本ほど購入していた。

仕入れたワインを販売するために、
広告にも相当力を入れる。

扱うワイナリーの知名度を上げたところで、
他の会社にこのワイナリーを取られないよう、
独占的な扱いを相当意識していた。

それに比べ、このやり方だと
結果的に色々なワインを仕入れることが出来る。

一つのインポータが、大量にワインを買ってくれると、
ワイナリー側としてはハンドリングが楽だが、
インポータに浮気をされてしまうと、打撃が大きい。

しかし、ポール氏のやり方だと、
どこかしらのインポータからは注文があり、
ワイナリーとの付き合いは続くかもしれない。

「ワインに対する日本人と中国人の嗜好は似ているんです。日本は中国より、ずっと前からワインとの付き合いがあり、非常に詳しので、私たちは、日本のマーケットをよく勉強しているんです」と語るポール氏の話を、オーナーは真剣に聞き入っている。

ポール氏のグループは、明日はシチリア、
明後日はトスカーナへと場所を移し、
ワイナリーを訪問する。

そのバイタリティーに、
私も、ワイナリーのオーナーも驚いた。

このワイナリーは2000年に設立されたオーガニックの作り手で、非常に勢いがある。

様々な賞を受賞し、
あるコンクールでは、
サッシカイアよりも好得点を得ている。

ヨーロッパをはじめ、アメリカ、カナダ、ブラジル、
中国に輸出をしているが、
まだ、日本への輸出の形跡はない。

このワイナリーが手掛ける素晴らしいワインを
ただ今、仕入れ中。

早くて、来月中旬から皆様に発送ができますよう、
お知らせを作成しています。

ご期待ください!

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