私の行きつけのバール
行きつけのバールに入ると、
接客用語を知らぬバールのオヤジさんは、
「おぅ、また来たね!」と言いたげに、
ニコッと視線を向ける。
いつものように、カフェ マッキアートを注文した。
マッキアとは、「染み」という意味。
なので、「ミルクの染みがついた珈琲」となる。
他にも、「Affogato al Caffe 」というのがある。
Affogato(アッフォガート)とは、
溺れる、という意味で、
バニラアイスに珈琲を注ぐから、
アイスが珈琲に溺れていることになる。
この店にはテレビがあって、料理番組が流れていた。
画面に映るオバチャン先生は、
ミキサーの中に、次々と素材を入れている。
「ニンニクは、好きな人は沢山、
苦手な人は、控え目に入れてくださいね~
パセリ、このように黄色くなってしまった部分は、
捨てましょう。お次は、メントゥッチャ・・・」
分量も適当だ。
通常だと、古くて黄色くなったパセリは
収録前に取り除いておくのだけど、
この庶民的感覚がなんともいい。
バールのオヤジさんと常連客は、
「おいおい、メントゥッチャ(ミント)だってよ・・
俺、食う気しね~な~」
などと言いながら、画面を眺めている。
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