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2014年3月22日 (土)

私は、サンジョヴェーゼ

両親と涙の別れをして、
アリタリアの飛行機に乗り込んだ。

一気に寒流が流れ込み、気持ちが引き締まる。

そこには、
カルメンに出てくる酒屋の女たちのような女性乗務員の姿があり、接客笑顔やお辞儀に構わず、業務をキビキビとこなしている。

日本では「お客様」扱いされていたが、
これからは、ただの客だ。

さあ、これからは自分が頼り。しっかりしなくちゃ。

ローマの到着は、夜の19時。

シエナ行きの最終バスには乗れないため、
空港近くのホテルを予約していた。

空港からホテルに電話をして、
ピックアップをお願いすると、
「君の予約は見当たらない」と言われた。

「そんな事、ないわ。フェデリコっていうスタッフが
 予約を受けてくれたのよ。
 メールを送信したけど、返事がなかったの。
 ホテルの回線が数週間も機能しなかったんですってね。
 だから、電話で予約を入れたのよ」

事情を説明しても、ホテルのスタッフは、

「予約メールがない限り、予約は成立しないし、
 部屋も満室だ」と言い張っている。

こちらも負けてられない。

「なら、あなたのホテルのロビーで寝るわ。
 明日の朝には出ていくから」

「それも、困る・・・」

結局、他のホテルを手配してもらい、
そこまで、送ってもらった。

車の中でも、私達は予約の件で意見を交わし合ったが、
険悪なムードになることもなく、挨拶をして分かれた。

連れて来られたホテルは、海の前!

翌朝、私は屋外でカプチーノを味わった。

「あ~、気分がいい~! 何てラッキーなの!」

これがイタリアのパターンだ。

日本にいた時は、「今晩、何を食べようかな~」
なんて想像を巡らすことが多かったけど、

イタリアでは、
「とにかく、今を、何とかしなければ!」と、
全神経が奮い立つ事が多い。

私がいるトスカーナには、
『サンジョヴェーゼ』という葡萄品種があり、
キャンティクラッシコやブルネロなど、
しっかりと美味しいワインが生まれる。

この葡萄品種は、
あえて貧しい土地を好み、根を深く張る。

土壌が、養分や水分で満たされていたら、
美味しい葡萄は成らず、
質の良いワインは生まれない。

2週間の日本での滞在で、
私は沢山の愛情の堆肥を与えられ、
これから、イタリアのゴツゴツした土地で
根を張って生きていく。

私は、サンジョヴェーゼ同様、
豊かな地では、
美味しい質には育たないような気がする・・・

次回の帰省、待ち遠しいな~!!!

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