« 2014年2月 | トップページ | 2014年4月 »

2014年3月

2014年3月31日 (月)

フレスコ画のようなシエナの思い出

今週はアテンドが続いた。

お客様は、シエナに入る前に、ヴェネツィアやフィレンツェなどの大都市に滞在する。

だからあえて、私は、シエナ入りしたお客様を
ドルチェに続く丘陵地帯へと御誘いした。

緑の丘を20分ほど泳ぐと、
突然、ガツンとインパクトある渓谷が現れ、その先に
モンテ・オリヴェート・マッジョーレ大寺院がある。

そこの修道院の回廊には、
ソドマやシニョレッリが手掛けたフレスコ画があり、
厳格だった聖ベネデクトの生涯が描かれている。

鑑賞中、
絵と同じ服装をまとった修道士たちが背後を通り過ぎ、
その度に、私達は、軽く会釈をした。

「聖美さん、シエナは素晴らしかったです!また来ます!」と言って、お客様たちはシエナを去っていく。

お客様の心に、
柔らかな色彩で、長期間保たれるフレスコ画同様、
シエナが染み込んでくれた・・・
1



2

4

7


|

2014年3月30日 (日)

モンタルチーノの畑から今日は!

無農薬ワインの葡萄畑には、
除草剤を使用しないので、
ある程度の雑草が生えている。

お陰で、畑の向こうを散策する羊は
美味しい草を食べているし、
葡萄の木では、新芽のふりをしたカタツムリが
気持ちよさそうに日向ぼっこをしていた。
Img_6572




Img_6558


Img_6551



|

2014年3月29日 (土)

鷹のコンテッサちゃん

散歩をしてたら、
鷹を連れたイタリア人男性と出会った。

「これから猟をするんだ。良かったら、見るかい?」

「いいんですか! じゃあ!」

私は、彼らと一緒に高台に登った。

この鷹は5歳のメスで、名前はコンテッサ。
伯爵令嬢という意味だ。

毎日体重を計っていて、今日は720グラムらしい。

車での移動中は、鷹が怖がるので目隠しをする。

コンテッサちゃんは、
空気を読むかのように精神統一をして、
5分ほど飛行すると、茂みに降り立った。

「駄目だ・・・」

「え? 何でですか?」

「通常、急降下しながら獲物を射止めなければならないんだ。今は、地上にいる鳩を捕まえたよ」

近くで、雉が鳴いた。

「今の時期、雉は交尾をするから、
 狩りの標的にはしないんだ。
 今、射止めたのは、僕が飼っている鳩さ」

男性は、ぐったりとした鳩をポケットに入れ、
持ってきたウズラを鷹に与えた。

この鳩は、菌を殺すために冷凍庫に保管される。

私は、飼い主といる動物を見ると、撫でたくなるけど、
今回ばかりは、手をひっこめた・・・
Img_6635_2



Img_6616


Img_6631







Img_6635


Img_6621


|

2014年3月24日 (月)

私のイタリアは御洒落ではない!

昨日、パトリッツィオは悪友に誘われて、
男水入らずの食事をした。

翌朝、「昨日は楽しかった? 
沢山、ワイン飲んだんでしょ!」と聞くと、

「三人んで1本しか空けなかった」と、
本当がどうかは知らないが、意外な答えが返ってきた。

2年前だったら、3人で5本は飲んでいたメンバーだ。

「オヤジ3人、痰絡みのコンサートさ。
 ガブリエーレがバリトン、俺がテノール、
 ピーノは合唱を担当したよ」

「汚いッ!」

「オヤジ達で、南の島に行こうぜ!って誘われたけど、
 俺は、介護さんなしには行かないよ、と答えたぞ」

去年頃から、パトリッツィオは、
私の事を「俺の介護さん」と呼んで喜んでいる。

私が物忘れしたり、腰が痛~い、と呟く時は、
パトリッツィオが私の介護さんになる。

日本の人から、
「イタリアなんて、お洒落ね~」と言われる度に、
複雑な気分になる・・・

|

2014年3月22日 (土)

私は、サンジョヴェーゼ

両親と涙の別れをして、
アリタリアの飛行機に乗り込んだ。

一気に寒流が流れ込み、気持ちが引き締まる。

そこには、
カルメンに出てくる酒屋の女たちのような女性乗務員の姿があり、接客笑顔やお辞儀に構わず、業務をキビキビとこなしている。

日本では「お客様」扱いされていたが、
これからは、ただの客だ。

さあ、これからは自分が頼り。しっかりしなくちゃ。

ローマの到着は、夜の19時。

シエナ行きの最終バスには乗れないため、
空港近くのホテルを予約していた。

空港からホテルに電話をして、
ピックアップをお願いすると、
「君の予約は見当たらない」と言われた。

「そんな事、ないわ。フェデリコっていうスタッフが
 予約を受けてくれたのよ。
 メールを送信したけど、返事がなかったの。
 ホテルの回線が数週間も機能しなかったんですってね。
 だから、電話で予約を入れたのよ」

事情を説明しても、ホテルのスタッフは、

「予約メールがない限り、予約は成立しないし、
 部屋も満室だ」と言い張っている。

こちらも負けてられない。

「なら、あなたのホテルのロビーで寝るわ。
 明日の朝には出ていくから」

「それも、困る・・・」

結局、他のホテルを手配してもらい、
そこまで、送ってもらった。

車の中でも、私達は予約の件で意見を交わし合ったが、
険悪なムードになることもなく、挨拶をして分かれた。

連れて来られたホテルは、海の前!

翌朝、私は屋外でカプチーノを味わった。

「あ~、気分がいい~! 何てラッキーなの!」

これがイタリアのパターンだ。

日本にいた時は、「今晩、何を食べようかな~」
なんて想像を巡らすことが多かったけど、

イタリアでは、
「とにかく、今を、何とかしなければ!」と、
全神経が奮い立つ事が多い。

私がいるトスカーナには、
『サンジョヴェーゼ』という葡萄品種があり、
キャンティクラッシコやブルネロなど、
しっかりと美味しいワインが生まれる。

この葡萄品種は、
あえて貧しい土地を好み、根を深く張る。

土壌が、養分や水分で満たされていたら、
美味しい葡萄は成らず、
質の良いワインは生まれない。

2週間の日本での滞在で、
私は沢山の愛情の堆肥を与えられ、
これから、イタリアのゴツゴツした土地で
根を張って生きていく。

私は、サンジョヴェーゼ同様、
豊かな地では、
美味しい質には育たないような気がする・・・

次回の帰省、待ち遠しいな~!!!

Img_6271


|

2014年3月16日 (日)

イタリアからブログを流す意味・・・

今回の日本滞在で、何度か都心に出た。

鳥の声や、道端に咲く花の代わりに、
私は、沢山の雑知識や、綺麗なコトにも包まれた。

(今の私には、無いものばかり!)と焦りが湧いてくる。

若い頃は「刺激」として楽しかったけど、45歳となり、
自分らしさ、という感覚が分かってきたので、
もう、流行や 自分の意思とは反するテーマに呑みこまれないと思いつつも、これだけの雑知識に囲まれると、自分らしさの軸が、不安定になる。

イタリアにいる日本人を見ていると、
お洒落感を発信する人と、田舎生活を発信する人がいる。

お洒落感を発信する人は、
日本で情報に敏感な人にとってのカリスマ的存在に映り、
ある種のサークルを築いていく。

私は、田舎生活を発信する人。

日本人は勤勉で秩序を重んじ、
組織が整った暮らしやすい社会を形成している。

その反面、
人間関係にデリケートになっている部分もある。

そこに悩む人が多い故に、今、書店では、
「自分を大事に・自分に甘く」的なテーマの本が
沢山あるのだと思う。

分かっているけど、どうやって?

イタリア人は、茶目っ気たっぷりで利己主義。

彼らにとって、「自分に寛大に!」は当たり前。

勿論、問題が生じる。

問題にぶつかっても、
そこに、ユーモアの影も見え隠れしたりする。

イタリアでの生活は、喜怒哀楽がたっぷりで、
社会にとっていいのか悪いのか、分からないけど、
元気があるのは確かだ。

「私はお洒落や流行のカリスマ派ではない、
 田舎派だ!」

とはっきり定義できてから、す~っと楽になった!

人や自然にある天然の養分を吸いながら、自分を育て、
それを味わっていただける人との交流を通じて、
生活を楽しもう!

と思う、日この頃です。

|

2014年3月15日 (土)

食事会

私は、5~6人に向って話すことはあっても、
30人は滅多にない。

「お母さん、私、緊張してきた。
 顔が引きつっているわ!」

すると母は、

「キヨさん、ゆっくりと喋ってね。
 そうしないと、聞いている方はついて行けないから」
 
と言った。

「あら、私、そんなに早口かしら? イタリアでは、
 大きな声で、テンポよく話さないと、
 乗っていけないのよ。仮にボ~ン、ジョ~ル、ノ~
 み~な~さ~ま~なんて言ったら、
 皆、寝ちゃわない?」

日本人とイタリア人の喋り方は、車の運転と似ている。

イタリア人の運転は、時速100キロが当たり前。

時々、120キロや140キロになることがある。

助手席で、「怖い、怖い! 速度を落として・・・」
と言うと、

「そのほうが危ないよ。波が乱れて、事故になる!」
と返事が返ってくる。

実際、お年寄りが時速60キロくらいで、フィアット500を運転していると、リズムが乱れ、運転手は冷やっとする。

ここは日本だから、
日本の速度に合わせた方がよさそうだ。

会話もゆっくり、そして声も穏やかに。

テレビで国会中継を見ている父が、
「安倍さんは早口なんだよな~、
 何言ってるのか、よく分からない。
 その点、小泉さんはパーっと話て、ピタっと止まる。
 その間の取り方が良かったな~」と言った。

「キヨさん、難し話、しないでね。
 お母さんの年になると、分からないから・・・」

そんな両親からの忠告に、
なんだか、気持が落ち着いてきた。

今回の帰省中、中学や短大の女子会(おばちゃん会)、
そしてセレブっぽい香りが漂う講習には、
バブル期を彷彿させるようなミニスカートで臨んだけど、この日は、ジーパンとローヒールを選んだ。

会場に到着すると、千葉大学のT教授から、

「キヨミさん、本日は、とにかく、楽しい食事会! 
 講座のような内容にはしないでくださいね」

と言われた。

「はい!」 と笑顔でこたえつつ、
今度は、気持が引きつった。

この日の為に私が準備したこと・・・

それは、オリーブの品種や認定についての知識、
オリーブがオリーブオイルに変わっていく工程などで、
今回の趣旨とはズレていることを悟った。

私の隣には、この地区でイタリア語を教えている
アドリアーノ氏が座った。

T教授が、写真を投影機で映し出し、
それについて、私は、マイクで説明をした。

1枚の何でもない写真なのに、話題がどんどん膨らみ、
アドリアーノ氏やT教授のコメントも加わっていく。

気が付くと、会場はとっても賑やかで、
イタリアにいるようだった。

会の冒頭で、
私はイタリアの発音について触れたものだから、
会場となったレストランの支配人は、
大袈裟なアクセントと抑揚を加えて話し、
その、イタリア訛りの日本語に、皆は笑った。

今後、帰省の際には、
オリーブやワインの会を持ちたい、と思っている。

専門的な知識も準備しておくけど、
講座風にならず、いかに、楽しく伝えるか?

服装も風貌も、あえて、ラフな方がいい。

今までの概念が崩れ、色々な事に気づかされてます。

※柏の葉の皆様、大変お世話になりました!

Photo

|

2014年3月13日 (木)

一つ屋根の下

朝の食卓で父が、

「お父さん、幸せだよ。
 こんなに美味しい朝ごはんが食べれて。な~!」
と照れ笑いしながら話し、

「キヨたんも、
 お母さんの通っている美容院に行ったらどうだ?
 お母さん、髪型変えたら、
 もっと美人になっちゃったよ!」

と言いながら、納豆ごはんを食べている。

そんな父の会話に、
母は、少し誇らしげに笑みを浮かべている。

私が、「ちょっと便秘気味だ」と言うと、
私の気づかぬうちに母は家を出て、その後、
「女医が教える、便秘治せます」という本と共に、
戻ってきた。

昨日は、女友達と日比谷のガード下で飲んだ。

帰り際、彼女は私に、お土産をくれた。

どうやら、和菓子の詰め合わせらしい。

家に戻ると、ソファーで転寝していた母が起きたから、
私はその日の出来事を語った。そして、

「お父さん、甘いもの好物だから、お父さんに、
 包みを開けてもらいましょう」と話している矢先、

お父さんがトイレの為に起きたから、

「お父さん、
 ご家族の皆さんでどうぞ、っていただいたわ!」

と差し出すと、お父さんは、
あまり感情を表さずに包みを開け、
当然の流れで、和菓子を口に頬張った。

普段だと、母は、
「寝る前に食べちゃ、ダメよ!」と叱責するところだが、その時は黙っていた。

私は、この和菓子の包み紙を、
お気に入りの文庫本のカバーにした。

今、私たちは通い合っている。

家族は、
いつでも、一つ屋根の下に居れるとは限らないし、
遠く離れていても、心が通い合える。

でも、こうして、
今の自分、今の相手を体全体で感じられる瞬間、
最高に幸せです。

Img_6191

|

2014年3月 4日 (火)

日本から今日は~!

今回のアリタリア。
機内には、イタリア男性の乗務員が多かった。

実家に到着し、
スカイプでパトリッツィオにそのことを伝えると、
「あ~、アリタリアはアラブに買われるかもしれないからな!」と言って、クックッと笑った。

結婚するまで男女の関係が禁止されているアラブでは
、同性愛が盛んで、
確か、パトリッツィオがエジプトに行った時、
何人もの男性に御尻を触られたと言っていたのを思い出した。

「そういえば、皆、筋肉質だったわ!」

「そうだろ~? 趣味なんだよ!」

「中でも、一人がとっても明るくて、楽しかった! 

“飲み物は?”と聞かれたから、
“ブルネロをください!”って言ったの。

 そしたら、僕の名前は、ブルーノ。
 ブルネロに似てるだろ?”と言って、
 ネームカードを見せてくれた。

 結局、お水を頼むと、
 “25年熟成させた水です、マダム!”
 と言って仰々しく差し出すから、
 私も、テイスティングをして見せたわ!」

機内食を終え、電気が消えると、
明るい乗務員とは裏腹に、
暗く、つまらなそうな映画を選んだ。

すると、直ぐに眠れて、
御尻や背中の痛みと付き合うことなく、
あっさりと日本に到着した。

しばし、イタリアから意識を遠のいて、
実家でどっぷりとバカンスに浸かります。

※上空からみた上越の景色

Img_6165

|

2014年3月 3日 (月)

さりげない会話が素敵

「空が綺麗だな。カナレットみたいだ・・・」
 運転しながらパトリッツィオが呟いた。

「カナレット?」

「ああ、ヴェネツィア生まれの景観画家で、
 よく白い雲と空を描いていたんだ」

穏やかな表情で運転する彼の横顔が、
いっそう素敵に見えた・・・・

Img_6148




|

« 2014年2月 | トップページ | 2014年4月 »