« ヴェルナッチャ | トップページ | キャンティクラッシコ 「グラン セレッツィオーネ」と文化 »

2014年2月18日 (火)

年金生活とオリーブオイル

いつもの散歩道で、オリーブの剪定の光景を見かけた。

私の知るオリーブオイルの作り手は、
軽い力でスイスイと作業を進めるため、
電動式のハサミを使うけど、
この二人の男性は、普通の剪定バサミを使っている。

「ボンジョ~ルノ!少しお話を伺ってもいいですか?」

「si, いいとも!」

「あなた達、兄弟ですか?」

「いいや、俺たちの奥さん同士が姉妹なんだ」

「小さな頃から、
 オリーブの栽培に携わっているんですか?」

「ノー、最近だよ。年金生活に入ってからの暇潰しさ。
 そりゃ~、小さな頃は、手伝ってたけどね・・・」

「あらっ! 私のお母さんも年金生活に入ってから趣味で畑を始めたんです! 稲作農家の娘で、東京に上京するまでは、畑を手伝ってたんですよ! それと同じだ!」

「そうかい。今度は君たちの番さ!」

このオジサンも私の母も、小さな頃の経験があるけど、
私には、全く経験がない。

「今日も、暖かいですね~!」

「あ~、この後、寒波が訪れたら大変だ! 
 芽がダメージ受けて、収穫に響く」

「でも、仕事じゃないから、
 プレッシャーは無いですね!」

「そうだね。趣味だから、気が向いた時に始めて、
 好きな時に辞めればいいんだよ!」

そう言ってたけど、2時間後に同じ道を通った時も、
彼らは黙々と剪定に取り組んでいた。

毎年、約50キロ分のオリーブオイルが確保できるらしい。

日本では、オリーブ栽培への関心が高まっているけど、
イタリアでは、見捨てられたオリーブ畑が増えていく。

若者の失業率が高いイタリア。

もし、職の見つからない期間、
若者たちが農業の経験を出来るなら、
この先も、イタリアはオリーブオイルの生産国として、
ず~っと伝統を守れるような気がする。

私は、10年以上イタリア政府に年金を払い続けているけど、どこかで、貰えっこない、と諦めている。

60歳を超えた時、
少しでも自給自足や物々交換が出来たら、
生活が助かるだろうな!

でも、体力、あるかしら?

遠くのようで、
意外に近い将来を考えてしまう、今日この頃です。
Img_5889_2




Img_5889


|

« ヴェルナッチャ | トップページ | キャンティクラッシコ 「グラン セレッツィオーネ」と文化 »